「農業はスポーツだ」サッカー沖縄SVがカッコいい農業本格始動

 
沖縄SVアグリ株式会社の宮城尚代表

 「高付加価値な農産物の栽培」に関しては、沖縄などに限定される地域でしか採れない希少性や作物自体の保存性などを武器に、ブランティングによる商品価値向上やアジアへの販路拡大を見据え、バニラビーンズやカカオ、ドラゴンフルーツなどの栽培も視野に入れている。

 「地域特性を活かした加工品製造」については、パートナー農家から仕入れたマンゴー、バナナなどでコーヒーに合うジャムやスイーツなどを開発し、沖縄SVブランドを活用して販売する計画だ。コーヒーは焙煎豆の販売に留まらず、コーヒーチェリー(コーヒーの実)をジャムにしたり、花を元にしたハチミツを作ったりと商品バリエーションを広げる。

 「農業をCOOLにブランディング」では、農業のイメージアップを狙い、デザイン性が高くオシャレなウエアやグッズを手掛ける「農業アパレル」を展開する。さらに、観光農園やグランピング、農泊といったアグリツーリズム事業も併せて進め、インバウンドやワーケーション需要も想定している。

アパレルブランドとコラボしたオリジナルウエアに身を包む髙原氏(右)と宮城氏

スポーツも農業も「感動産業」

 会見で「スポーツのチカラで農業をブランディング」というビジョンを掲げた沖縄SVアグリの宮城代表は「農業が持つ『キツイ』『儲からない』などのマイナスイメージを、スポーツが持つ『エネルギー』『アクティブ』というプラスイメージで変えていこうと思っています」と、沖縄SVならではのブランディング戦略を示した。

 さらに「(スポーツも農業も)体が資本という点では、農業は若者に最適です。また農業の『おいしい物を食べさせる』ことと、スポーツが『人々を感動させる』という部分は『感動産業』として共通しています」と、新しい農業の可能性を手繰り寄せる。

選手のセカンドキャリアとして

 沖縄SVアグリは他に、障がい者福祉施設が苗づくりをするなどの福祉連携や、ふるさと納税の返礼品を企画するなどの行政連携、北部農林高校でのコーヒー栽培人材育成を通した教育連携など、農業を軸にした多方面の社会課題解決にも励む。

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