「農業はスポーツだ」サッカー沖縄SVがカッコいい農業本格始動

 
農業に精を出す沖縄SVの選手ら(2019年、沖縄SVアグリウェブサイトより)

 そのうちの一つに挙げられるのは、サッカー選手が引退した後のセカンドキャリアとしての就農促進だ。

 髙原氏は「スポーツに専門性をもってずっと打ち込んできたからこそ、プロ選手になれたわけです。しかし、もしも選手として続けられなくなって次の仕事を探さなければならないという時に(これまで一つのことに打ち込んできた分)、次の道がなかなかありません」との現状を話し「特に自分のチームに来てくれた選手たちには、少しでも(道すじを)提供できればと思っています」と、沖縄農業の未来と共に、選手の未来も包み込もうとしている。

 宮城氏は「公務員や会社員の方にも、例えば土日に農業体験をする場を提供したいです」と述べ、サッカー選手以外のセカンドキャリアも支援する枠組みを目指す方向だ。

スポーツで地域課題解決 全国的な波に

 沖縄SVの他にも、スポーツチームが独自事業に取り組んで結果を出している例はある。

 プロ野球独立リーグ「四国アイランドリーグplus」の徳島インディゴソックスは農業事業を展開、阿波市と連携して、地元産野菜や果物を広く告知、販売するプロジェクトを行い、収益の一部は選手の活動費となっている。

 同リーグの高知ファイティングドッグスは、野球の専門学校を運営するアカデミー事業を行っており、地元自治体が抱える「空き家対策、移住促進、長期滞在」などの課題解決に一役買っている。

 沖縄SVアグリの挑戦で、スポーツを通した地域貢献の波が、沖縄にも根付いていこうとしている。

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長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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