沖縄県内の短観、9ポイント悪化 日銀那覇支店
- 2021/10/6
- 経済
日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)はこのほど、2021年9月の県内企業短期経済観測調査結果(短観)を発表した。県内企業の景況感を示す業績判断指数(DI)は、全産業でマイナス26となり、前回調査(6月)から9ポイント低下した。悪化は2四半期ぶり。6月以降に、新型コロナウイルスの感染急拡大で、観光や消費関連で外出自粛の影響が強まったことなどが要因という。
DIは、業況が「良い」と回答した企業の割合から、「悪い」と回答した企業の割合を引いたもの。調査は8月26日~9 月30日までの間、141社(製造業25社、非製造業116社)を対象に実施した。回答率は100%。
飯島支店長は、今回のDIについて「5月23日に発令された緊急事態宣言が延長され、9月30日まで続いた。そうした下で、マイナス26という昨年9月の調査以来の低い水準になった」と述べた。
また、建設業について「過去の受注残で好調を維持していたが、新規受注が減少しつつあり、中断している案件などもある」と述べ、厳しい現状が続いていると分析した。
新型コロナウイルスへの対応については、あくまでも感染症は一時的なものだとの認識を示した上で、「感染症の影響によって事業ができなくならないように支えようというのが基本的な発想。仮に感染の影響がさらにひどくなった場合には、国などのサポートもそれに応じて行うことになると思う」と語った。
業種別では、製造業のDIが前回調査比4ポイント悪化のマイナス28。非製造業も同9ポイント悪化のマイナス25となった。
非製造業の内訳では、緊急事態宣言の影響により外出自粛が強まったことで宿泊・飲食サービスが前回調査から変わらずマイナス70、小売りが同15ポイント悪化しマイナス62となった。建設業も受注残の減少などの影響から、同14ポイント悪化してプラス19となった。
先行きについては、ワクチン接種の進展や、緊急事態宣言解除に伴う行動制約の緩和などによる経済活動の再開への期待を踏まえ、全産業で現場から12ポイント改善のマイナス14、製造業は同12ポイント改善のマイナス16、非製造業も同11ポイント改善のマイナス14を見込んだ。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)