- Home
- 暮らし・教育・子育て
- HipHopダンスで世界大会決勝へ 英国で1万人動員 沖縄の中学生がのめり込んだフリースタイルの魅力
HipHopダンスで世界大会決勝へ 英国で1万人動員 沖縄の中学生がのめり込んだフリースタイルの魅力
- 2021/10/8
- 暮らし・教育・子育て
毎年夏にイギリスで行われているストリートダンスの世界大会「UDO STREET DANCE WORLD CHAMPIONSHIPS」の決勝出場権を、沖縄の中学生が獲得した。9月15日に発表された2021年度の日本予選動画審査で西銘花凛さん(13)がバトル部門HipHop15歳以下の4位に入った。スポーツの視点でも教育の視点でも注目されつつあるダンス。2024年のパリ五輪で床上の技を競うスタイル“ブレイクダンス”が競技種目として採用されたことや、体育の授業での必修化に伴い、人気が再燃している。なかでも即興で踊るフリースタイルの魅力や子どもたちに与える影響に迫る。
「自分だけのダンスで勝ちたい」世界大会への決意
花凛さんが入賞をし、出場権を得たのはヨーロッパを中心に各国で開かれている予選の通過者が集う世界大会。1人で即興のダンスを見せるソロ部門や、チームでのショーケースなど複数の部門があり、2019年のバトル部門には250人が参加。観客も合わせると10000人を動員する大会だ。
2020年、2021年の決勝大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったが、21年に向けての予選大会が現地でも9月より再開されている。
日本予選は昨年も今年も新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインでの動画審査となった。花凛さんがエントリーしたバトル部門の審査では、海外のダンサー3人が音楽性、動きのバラエティー、エネルギー、意気込み、自信、ユニークでオリジナリティがあるか、音楽をどう解釈しているかが判断の基準となった。
「エネルギーが爆発するようなダンスが得意」とする花凛さんは、ダンスで人と対戦するバトル部門のヒップホップカテゴリーに挑戦。評価され、初めての海外大会出場権を得て「やっと掴めたチャンス。世界大会での目標は優勝で、周りを圧倒させるような私だけのフリースタイルで勝ち取りたい」と嬉しさを滲ませた。
技術と表現を即興で競う「フリースタイル」
花凛さんが語る「フリースタイル」とは何か。
ダンスには五輪種目となったブレイクダンスの他に、バウンスやスライドを使ったヒップホップダンス、体の筋肉を弾く動きで踊るポッピングや、腕や手首を回す動きを繋げて表現豊かに踊るロックダンスなどがある。どれも表現豊かでコミュニケーションの手段ともなりえるそれらのダンスは、多くがアメリカのニューヨークや西海岸のストリート発祥。「ストリートダンス」と総称される。
そのストリートダンスこそが、2012年に中学校体育に組み込まれた「現代的なリズムのダンス」だ。
「フリースタイル」は幅広いジャンルの基礎を自由に組み合わせて踊ることや、音楽に合わせて自由に即興で表現することの意味で使われる。振り付けとは違い即興性があり、自由度が高い。競技の場ではダンスの技術力と同時にその場の表現力が同時に問われる。
個性を出すダンスの魅力と教育的ハードル
「個性を尊重する」-。日本では1980年代後半頃から、教育界で「個性」という言葉が出てくるようになった。ストリートダンスの世界でも、レベルが上がれば上がるほど「個性」は重視される。どんなに技術を磨いても、有名になるにはダンスで表現するアーティストとして個別なものが必要だ。