戦後北谷ヒストリー② 県民余暇のスタンダードを生み出した街

 

 もともとは大きな行政区だった北谷村だが、戦後米軍による大規模な土地接収や嘉手納飛行場の機能拡張に伴い現在のような小さい町となった。町内に横たわる米軍基地内にはもともと古い集落がいくつもあり、特にレスターからフォスターにかけての平野部は豊富な農作地帯で、かつては田園風景が見事なものだった。

蛇行した坂道の理由

 土地の接収とともに集落が追いやられ、住む場所を無くした住民たちは北谷の山間を切り開き、悪条件の中で限られた土地に密集して新しい集落を作り上げた。それが謝苅地区だ。

急カーブと坂道が続く謝刈地区


 あれほど高低差のある斜面地で、様々な工夫を凝らし建てられてきた建造物群からは、当時の人々のたくましさを垣間見ることができる。
 58号線の謝苅交差点から沖縄市に上っていくグネグネとした急カーブが続く坂道の理由はここに繋がっていたのだ。その山間の地形を利用した謝苅公園からの眺めは、西海岸を一望できる。謝刈にはかつての集落の賑わいを彷彿させる映画館跡などが今も残っている。

1970年の謝刈。米軍に挟まれる形で密集集落が作り上げられた
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宮古毎日新聞

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