「求人は堅調に推移」 有効求人倍率0.99倍 沖縄労働局
- 2022/7/30
- 経済
沖縄労働局(西川昌登局長)は29日、2022年6月の県内有効求人倍率(季節調整値)が前月比0.04ポイント上昇の0.99倍だったと発表した。西川局長は「観光客の増加により、宿泊業や飲食サービス業を中心に求人が堅調に推移している」と述べた。新規求人倍率(同)は同0.14ポイント低下の1.83倍、正社員有効求人倍率(原数値)は前年同月比0.08ポイント上昇の0.56倍だった。
県庁で会見した西川局長は、沖縄の雇用情勢について「求職の超過が続いており厳しい状況にあるが、求人は改善傾向がみられる」と分析。一方で、新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響に注意する必要があると分析した。
新規求人数を主要産業別でみると、宿泊業・飲食サービス業が前年同月比84.6%(550人)増で伸び率が最大となった。西川局長は要因について、観光客の増加と、飲食サービス業については、6月は県民の人流回復による飲食需要が加わったことなどを挙げた。
また、宿泊業の新規求人数を、新型コロナの影響がなかった19年と比較すると、今年の4月~6月は1933人でコロナ前の89.6%まで回復。飲食業でも、19年の1537人に対して、22年は1303人と84.8%まで近づいてきていると強調した。
宮古・八重山を含む県内5カ所のハローワークでは、有効求人倍率が対前年比でいずれも増加。特に先島地区では、宿泊・飲食業に加え、小売り業や生活関連・娯楽業などの求人が出ている説明した。
7月について西川局長は、感染症の急拡大や、原材料価格の上昇が続いていることなどを踏まえ「雇用情勢に与える影響は注視していく必要がある」と指摘する一方で、7月からの感染急拡大を受けても、大幅な求人の取り下げがなく、入域観光客数も前年と比べ好調だと聞いているとして「急激に雇用情勢が悪化するとはみていない。どちらかというと改善傾向にある」との認識を示した。
西川局長は、「企業には良い人材を確保するため、求職者にはより良い就職を早期にしていただくため、ぜひハローワークを積極的に活用してほしい」と呼び掛けた。
同日、沖縄県が発表した6月の完全失業率(原数値)は、前年同月比1.2ポイント低下の2.8%だった。
(記事・写真 宮古毎日新聞)