辺野古めぐり「不承認」支持で県民集会 玉城知事も登壇
- 2023/11/6
- 政治・社会
米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、政府と対立している玉城デニー知事を支持する県民集会が5日、北谷町で開かれ、多くの市民が参加した。登壇した玉城知事は「私が皆さんの矢面に立つ」と述べ、辺野古移設に反対を続ける姿勢を強調した。
玉城知事は、国が移設先の海底に軟弱地盤があると2007年に把握していたことについて「 あそこは埋め立てに向かないと分かっていながらも、まずは埋め立てを承認させて、それから後どうにかすれば工事が出来るだろう考え方で、ごまかそうとしていた姿勢があらわになった」と指摘した。
あいさつに立った、オール沖縄会議の稲嶺進共同代表は「政府は、とうとう『代執行』という禁断の刃を抜いてしまった。よく『伝家の宝刀』という言葉もあるが、今回のこの刃は沖縄の民意と地方自治を、真っ二つに切り裂くものだ」と、国を批判した。
その上で「玉城知事は沖縄の民意を背に、はっきりと不承認の立場を表明した。大変苦労されてる。今度は、われわれ県民が総力をあげて知事を支えていこう」と呼び掛けた。
普天間飛行場の辺野古移設では、移設先の海底に軟弱地盤が見つかっており、沖縄防衛局が2020年4月に工法の変更を申請している。県は申請を不承認とした一方、国は県の処分を取り消す「裁決」や、県に承認するよう求める「是正指示」を発出。県は裁判で争ったが、9月までに最高裁で敗訴が確定している。
政府は、国が県に代わり承認する「代執行」を念頭に訴えを提起。同訴訟は10月30日に行われた第1回口頭弁論で即日結審し、県にとって厳しい判決も予想されるという。
県議会では10月23日、否決されたものの異例の問責決議案が提出されるなど、県政野党の攻勢もあった。国と対立を続ける玉城知事としては、県民世論の後押しを喚起できるかが焦点となっている。
(記事・写真 宮古毎日新聞)