那覇空港の理想の未来とは? 第二滑走路供用開始から2年でセミナー

 

 那覇空港拡張整備促進連盟が3月18日、第二滑走路供用開始2周年を記念して那覇空港の未来を考えるための「大那覇空港セミナー」を那覇市のロワジールホテル那覇で開催した。マネジメントや空港事業に関わる専門家を講師に迎え、那覇空港がこれから目指すべき方向性や将来像について提示した。

ピーク時見据えたキャパシティが重要

 「那覇空港の将来展望と沖縄の成長戦略」と題して講演した「株式会社MK総合研究所」所長の幕亮二さんは、前置きで観光やレジャーでの誘客について触れながら「テーマパークにはテーマ設定についての説明が必要ですが、沖縄には何も説明する必要がないくらいにテーマがあるし、限りないポテンシャルがあります」と強調した。

 ピーク時と閑散期の変動が激しいレジャーの特性を踏まえ、「ピーク時にどれだけ稼げるかが重要」と説明。コロナ後に各地からの旅行客による需要が戻った時を見据えると「滑走路を増設しただけでは不十分」と指摘し、第一・第二滑走路間を移動する新たな交通システムの整備なども視野に入れつつ既存のターミナルを活用した施設の更なる拡張を提案した。

「レジャーにおいては、ピークの時にきちんと受け入れられるキャパがなければ意味がないのです」

「MK総合研究所」所長の幕亮二さん

 さらに、沖縄の立地性から成長ビジョンとして「東洋のハワイ」「東洋のカリブ」というイメージを挙げた。沖縄を中心に3~5時間で移動可能なエリアにはアジアを中心に約20億人にも上る人たちがいることに言及しつつ、「空港と港湾の連携が大きな要になります」と話す。

 アジアのクルーズマーケットが急激な伸びを見せている現状に鑑み「お金があまり落ちない『寄港地』ではなく、宿泊や荷物の積み込みなどで人もモノも動く『発着地』を目指さなくてはなりません」。

 そのためには日本全国、離島も含めてさまざまなバリエーションの周遊商品を備えなくてはいけないことも付け加え、那覇空港と那覇クルーズターミナルとの連携強化が必要となることも述べた。

目指すは「空と港の融合」

 国内外で空港事業を手掛ける「日本空港コンサルタンツ」の取締役・村山憲治さんは「40年間空港について色んなことを見てきましたが、ここ数年の技術革新のスピードは物凄いものがあります」と前置きし、世界中の空港が変化の只中にあることを説明した。

 スライドで世界各地の巨大空港や最新の空港の画像を示しながらデザイン性や特徴などについて解説した上で、意外にも「外見のデザインは斬新で凄かろうと、システムで新しい進化を取り入れている所はあまり無いんです」とコメントした。

「日本空港コンサルタンツ」取締役の村山憲治さん

 那覇空港が目指す方向性については幕さんと同様に「空と港の融合」に着目し、その先例としてシンガポール・チャンギ国際空港を挙げて、施策的な面での特徴を述べた。

「シンガポールは需要が大きくなる前に『それって50年後くらいの話じゃないの?』というような規模のプロジェクトを思い切って実行するんです。もともとはあまり何も無かった所に『行ってみたい』という施設を作っています。言わば、需要を作るということを実践しているんです

 また、更なる付加価値と利用者利便性の向上に資する要素として、サスティナブルな旅客ターミナルビルやカーボンニュートラルをコンセプトに据える「持続可能な空港」、さらにストレスフリーで街にシームレスに移動可能な「顧客にとって特別な空港」を提案した。

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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