住宅地、商業地とも低い上昇率 工業用地は好調 沖縄の公示地価

 

 国土交通省は22日、今年1月1日の公示地価を発表した。県内の公示地価は、平均で住宅地が前年比2.0%、商業地は同0.7%、工業地は同18.2%、それぞれ上昇した。新型コロナウイルスの影響が長期化する中、住宅地と商業地は前年からわずかに上昇率を伸ばしたが、全国的にも力強い回復には至っていない。一方、工業地では前年に続き国内トップの高い伸び率を示した。

 県内の主力産業である観光分野で、入域観光客数は2018年に984万人、19年には初めて大台を突破して1016万人を記録。20年1月の公示地価では、商業地で前年比13.3%、住宅地は同9.5%など、全国1位の上昇率を示していた。

 ただ、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡がるに伴って観光客数は激減し、20年は前年から6割減の373万人、21年はさらに2割減の301万人となった。20年度の実績経済成長率は名目でマイナス6.5%という厳しい予測も出されている。

 こうした中で、県内の地価は平均値では何とか変動率プラスで踏みとどまっているともいえる。県地価公示分科会(濱元毅代表幹事)は、県内の商業地について「家賃補助などが一定程度の底支えをし、賃貸市場が比較的に平静を取り戻した」と分析している。

 ただ、同分科会(濱元毅代表幹事)は、県内の地価動向についてコロナ後には投資が増える可能性があるとの見方を示す一方で、「観光産業が中心なので、(現状は)他府県に比べ回復の度合いが少し弱い」とも指摘した。

 商業地平均価格で上昇率の全国トップは福岡県の前年比4.1%。住宅地は北海道で同4.6%だった。沖縄の上昇率は、商業地では全国9位、住宅地では同4位となっている。

県内の商業地最高値、わずかに下落

 県内商業地の最高値は、21年連続の「那覇市久茂地3丁目1番1」で、価格は前年比1.0%下落の1平方メートル当たり193万円。同地点は、2020年の同41.4%上昇という大幅な伸びから、21年は同1.5%下落となっていた。

 住宅地の県内最高地点となった「那覇市おもろまち3丁目6番11」(1平方メートル当たり38万2000円)は、前年から価格の変動はなかった。同地点も、20年は同9.7%上昇だったが、21年は同0.8%の下落に転じていた。

 同分科会は、県内の住宅地について「県内11市のうち10市で前年の下落から上昇へ転じるか、または上昇幅を広げており、地域によって差があるものの住宅地価格の持ち直し感が出始めた」と分析している。

 県内は、旺盛な人口の伸びと低い持ち家比率、県外からの根強い移住希望などを背景に、住宅需要は比較的底堅く、コロナ禍が収まれば再び住宅市場が上向くとの期待感はかなり強いという。

糸満市西崎の工業用地、全用途で上昇率全国1位

 工業用地では、「糸満市西崎町5丁目8番7外」(1平方メートル当たり7万8700円)が前年比28.4%上昇となり、商業地、住宅地を含めた全用途で全国トップの上昇率を記録した。全国2位も県内にある工業用地「豊見城市字豊崎3番62」(同12万9000円)で、前年比で26.5%の上昇だった。

 同分科会は、県内の工業用地について「流通倉庫や中小工場の工業用地需要に対し、県内で十分な広さを確保できる工業用地が少なく、需要超過が続いている。特に那覇空港や那覇港への交通アクセスに優れた西海岸は圧倒的な工業用地の供給不足で、新型コロナの終息の状況に関わらず地価の上昇が高い」としている。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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