理系女子よ大志を抱け OISTがSTEM分野への進学後押し

 
OISTホームページより

 3月8日の国際女性デーに合わせ、沖縄科学技術大学院大学(OIST、沖縄県恩納村)と沖縄科学技術大学院大学財団(OIST財団、米国)は、沖縄県内の女子児童・生徒が理系分野に進むことを支援する「Girls Be Ambitious(ガールズ・ビー・アンビシャス)」を開始すると発表した。

 「50:50キャンペーン」と題して、OISTへの入学者、在籍者、卒業生の全てにおいて男女比を均等にすることを目指す。また、女子高生向けの新たなプログラムとして、年の近いOIST博士課程学生が共に参加するワークショップを開催し、科学研究を身近に感じてもらう。

最南端からGirls, Be Ambitious!

 OIST学生の女性割合は41%。同大学は「『Boys, Be Ambitious!(少年よ、大志を抱け)』という言葉が北の大地である北海道で生まれたのに対し、最南端の島である沖縄からも『Girls, Be Ambitious!』を発信し、教育と科学を通じて若い世代を応援していきたいと考えています」としている。

 この取り組みは、世界に散らばる沖縄県系人を中心とした「世界ウチナーンチュ・ビジネス・ネットワーク(WUB)の創設者であるハワイのロバート・ナカソネ氏が、昨年5月にOIST財団で設立した「仲宗根松郎・ツル子基金」を活用して実施される。

デザイン思考を育むワークショップも

 新たに開催するワークショップは「SKYLabo」とコラボレーションして、週末にデザイン思考を育む。さまざまな取り組みに助成を行う米日財団から資金支援を受けた。科学分野だけではなく、各学問領域を掛け合わせての学際的な問題解決力を養う。

 関連して同大学は各種出張活動にも継続して力を入れる。沖縄県内の女子高校生向けの「ハイサイ・ラボ」、島しょ地域の持続可能性に関する「SHIMA」で、理系分野への関心を育む。

格差是正でGDP約65兆円増

 8日にOISTで行われた会見で、同大学のピーター・グルース学長は「日本の雇用の約45%は女性で、このこと自体は喜ばしいことだが、そのうちの半分程度は非正規雇用です。高い給与を得ることができず、ハイテク産業や管理職に女性が少ないことを示しています」と問題点を指摘。少子高齢化が進む中「女性が持つ創造性を活用しなければいけない時期に来ている」と提言した。

 同大学の高林美咲副研究科長は世界経済フォーラム(スイス)の試算を引用して「このような男女格差を是正することで、日本のGDP(国内総生産)は5500億ドル(約65兆円)増加する」と述べ、グルース氏の提言の正当性を補強した。日本のGDP(2019年)は約570兆円。

日本は156か国中120位 男女平等性

 国際女性デーは1975年に国連で制定された。旧ソ連構成国やアフリカ諸国などを中心に公式に祝日としている国もある。内閣府の資料によると、2021年の日本の「経済」「政治」「教育」「健康」の各分野の男女平等性は総合評価で156か国中120位。「先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果」と位置付けられている。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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