公立学校の“古いHP”に一石 沖縄県うるま市とnoteが連携

 

 沖縄県うるま市の全公立小中学校26校の公式HPに、文章や写真、映像などさまざまなコンテンツを配信できるプラットフォームサービス「note」が採用される。3月16日にうるま市教育委員会とnoteを運営する株式会社noteがオンラインで連携協定締結式を行った。今後の移行期間を経て新しくなる学校HPは、noteのサービスでも法人向け高機能プランを採用しており、教育委員会が全学校で一括採用するのは全国でも初めてのケースとなる。

7月から運用開始予定

 沖縄県内に限らず、長年にわたりデザインや仕様が変わらないまま運営されていることも多い公立学校のHPは、「前時代的」との印象が拭えず、その見にくさなどがSNS上で話題になることすらある。

従来の公立学校のHPの一例。うるま市のみならず全国的に古い形式のHPが採用されている。

 今回の協定締結で学校HPの国内先進事例として、旧態然としたフォーマットを変えられなかった現状に一石を投じる形になりそうだ。

 予定として、今年3月からnoteのアカウントを開設、設定を開始し、4月から教職員向け研修を実施。7月ごろから新HPの運用が始まる。しばらく旧HPは残るものの更新は行われず、来年度末をもって停止される。

noteが情報モラル教育支援も

「note」のトップページ

 noteを使用する利点として、特別な知識がなくても簡単にウェブ上で文章や写真の配置が可能で、誰でも情報が更新しやすいという点がある。また、デザインや仕様を刷新し続けているプラットフォームを利用することで、常に「見やすいHP」を提供することができるとも言える。

 さらに、うるま市教育委員会からの情報更新が即座に各小中学校のHPに反映されることから、教職員の作業を必要とせず効率化が図れる。

 また、noteの活用については同社がサポートや研修を実施すると共に、教職員や児童生徒を対象とした情報モラル教育についての支援や意見交換も行うといい、ソフト面での連携強化を図る。

「noteだったら悩みを解決できる」

 オンライン締結式で、うるま市の嘉手苅弘美教育長は「今般のコロナ禍で学校行事がこれまでのように実施できず、教育活動の様子をHPなどで発信することがこれまで以上に求められています」と、HP刷新を歓迎した。「note株式会社からの人的資源、知的資源を活用して、この協定を実りあるものにしたいと考えています」と期待を込めた。

 note株式会社の加藤貞顕CEOは「学校のHPは、更新や仕様対応などそれぞれ悩みがあると聞いています。noteだったらそれを解決できるという思いがありました。それが実現できることを大変うれしく思います」と感謝した。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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