一部除き濃厚接触者特定を撤廃へ 沖縄県専門家会議が同意

 
沖縄県庁

 医学的な立場から新型コロナウイルス対策を議論する沖縄県の専門家会議が20日に開催され、オミクロン株の特徴を踏まえ、今後は一般事業所で感染者が出た際に濃厚接触者の特定を撤廃するなどの方針案を議論した。参加者からは、おおむね賛同の意見が出され、県は24日の対策本部会議で正式な方針を決定する。

 今回の専門家会議は、厚生労働省が16日に発出した事務連絡を受けたもの。この中で、同省は一般事業所や中学校、高校では濃厚接触者を特定せず、感染者と接触しても無症状の場合には行動制限を課さない方針を打ち出した。一方で、小学校や幼稚園、保育園などについては自治体に判断を委ねているという。

 同省の事務連絡を踏まえ、県では独自の方針案を策定。一般事業所では、不安な人は接触者PCR検査センターなどでの受検を勧める。感染者と接触しても無症状であれば行動を制限しないが、高齢者や重症化リスクの高い人との接触など高リスク行動はしないよう求める。有症状者には、出勤を自粛し、医療機関の受診を求めるとした。

 また、小学校、中学校、高校では濃厚接触者を特定しないものの、感染者が出たクラスでPCR検査を行い、感染の広がりを確認する。感染者と接触した生徒は無症状なら行動制限はなく、高リスク行動は控えるよう求める。離島地域では、従来通り保健所が感染状況に応じて判断することとした。

 幼稚園や保育園、学童などでも濃厚折接触者の特定は行わず、感染者と接触した場合でも無症状の場合は行動制限はないとした。ただ、接触割合が高いことを考慮して、陰性が証明されるまでの待機を推奨するとしている。

 一方、感染者の同居家族や医療機関、高齢者入所施設などの職員は、これまで通りに保健所などが濃厚接触者を特定し、7日間の待機などを求める。医療機関などの職員は、従来と同様、検査を毎日行うことで出勤することも可能という。同居家族の場合、4,5日目で抗原検査を行い、陰性であれば待機を解除することもできるようにする。

県の新たな方針案を議論した専門家会議=20日、沖縄県庁

事務連絡での方針転換に批判も

 専門家会議では、濃厚接触者特定が一部を除き撤廃されるという方針の大転換が厚生労働省からの事務連絡で行われることについての批判も出た。出席者の1人は、「十分に国民への説明がされていない印象が強い。お上が方向を変えても明確なメッセージがなく、国民の認識がついていっていないのではないか」と疑問を呈した。

 その上で、この出席者は「本来は国だと思うが、県からも個人で責任を持ち、リスクが高い方が家族にいる人はリスクが高い行動を控えるなど、きちんとしたメッセージを出すことが重要だ」と強調した。

 会議後に会見した県の糸数公医療技監は「対応を緩めるのではなく、重点的にリスクの高い医療機関や高齢者施設などを守るということだ」と強調した。

 症状がある時に仕事を休む、心配であれば検査を受けるなど、一人一人の感染防止の行動が、これまで以上に求められると強調しつつ、「対策をしながら経済を回す選択だということを分かりやすく説明していきたい」と述べた。

 ワクチン接種については、拡大を防ぐためにその重要性は変わらないとし、「接種して発症、重症化を予防する県民が増えれば、リスクが高い方の重症化防止につながる」と語った。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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