コロナ第二波 沖縄グルメブロガーが明かす胸のうち

 

 8月1日、沖縄県は警戒レベルを第3段階に引き上げるとともに、2度目となる「沖縄県緊急事態宣言」を発令した。

 沖縄県は新型コロナウイルス感染者・人口比率で全国トップとなり、第一波よりも深刻な状況であると感じている人は多いと思う。そんな中、やはり心配なのは飲食店だ。

 『ここ数日、毎日のように休業や時短営業の連絡が入ってくる』

 そう話すのは、人気グルメブロガーであり食べログ沖縄レビュワー最大フォロワーを誇る「くまぽん(ブロガー名)」さんだ。(食べログでの名前は「アキバのうりぼう」)

 「くまんちゅ(熊人)の気まぐれ備忘ログ」というグルメブログを運営するくまぽんさんは、新型コロナウイルス感染拡大前までは、ほぼ毎日のように那覇市内の飲食店を巡っていた食通だ。

 人気店はもちろん、ニッチなお店や新店舗情報、閉店情報まで、毎度かなりの速さで情報をキャッチする上に情報の精査もきちんと行っているため、信頼できるグルメブログとして筆者も頻繁にチェックさせていただいている。

 そんな、食通であり飲食店ツウなくまぽんさんに、第二波における胸の内を語っていただいた。

第二波「すぐ近くまで迫ってきている印象」

第二波が訪れ、栄町や国際通りの様子はどんな感じでしょうか?

「そもそも第一波の時から沖縄は、新型コロナウイルス対策が他県に比べて早い印象です。第二波でも同じく感染者が出はじめてすぐに休業した店や、テイクアウトに切り替えたお店が多かったですね。むしろ第一波で培われたノウハウがあるので、速攻テイクアウトに移行して『前回のようにやります』とSNSで配信していたりと、慣れたものです」

-判断の速さを見ると、第二波をある程度想定していた店が多そうですね。飲食店経営者の方から、聴こえてくる声などはありますか?

「第一波の時は沖縄の感染者が少なかったので、どこか遠い世界の話のように思いながらも“予防”という意味で自粛していた感覚があります。だけど第二波は、実際に近くの店で濃厚接触者が来店していたり、スタッフで感染者が出たり、知人が検査に行っていたりと、わが身に迫った印象がありますよね。『今年は夏休みシーズンの稼ぎはダメだろう』『15日以降も自粛ムードは継続では?』という声がチラホラ聞こえてきています」

どこか諦めないとやってられない、という感じですかね。

「そうですね。特に可哀想なのはオープンして間もない店ですよ。お客を掴む前に、売り上げもないまま家賃を空払いしなければいけないですから」

確かにそれは悔やまれますね…。ちなみにくまぽんさんは、自粛中はどのように過ごしていたのでしょうか?

「ほぼ自炊や弁当ですね。実はそんなに食通というわけではなくて、全然カップラーメンとかも食べるんですよ(笑)」

それは意外すぎます。いつもどこから仕入れたのかと思うグルメ情報が更新されているので…。

「僕にとって飲食店は、どちらかというと会話とお酒を楽しむ場所なんですよ。僕は割とSNSなんかでも人と関わっていたのでまだましだったと思うんですが、やはり第一波の自粛明けには飲食店で端を切ったように話し始める人が多かったので、自粛によって人と話せないストレスというのはあると思いますよ。飲食店は、あらゆる人にとって”場”という価値があると思いますので」

なるほど。お客さんサイドもコロナで変わったことはあるのでしょうか?

「そこで無いと出会えない味、スタッフなど、わざわざ行くべき、”価値がある場所”という意味合いを、よりお客さんが考えるようになったと思います」

それはいいことですね。ちなみにテイクアウトはされなかったのでしょうか?

「はい。基本的に、テイクアウトはしない派です。コロナでテイクアウトを始めたお店は、自宅で食べることが前提でないから、やはり店の出来たてこそが美味しいんですよ。あとやはりメニューによっては冷めたら美味しくない、再加熱しても今ひとつとテイクアウトに即していないものもあるので、個人的にはテイクアウトはしない派です」

「逆に、今開けている店はすいていることが多いので、法令で規制されない限り営業時間内に密は避けて訪問するようにしたいですね。ただオーダーは一品ずつ、まとめて注文はしない、店が混んで来たらいつでも退店できる準備で」

グルメブログの現状「PVは下がっていないが、見られる記事は変わった」

くまぽんさんブログ

コロナが流行して、PVは下がりました?

「あまり変わってないですね。ただ『GWに沖縄に来ます?店は開いてません、人もいません@那覇「国際通り」』という記事を書いたのですが、そちらのPVがかなり伸びていました。あと、テレビ朝日の『マツコ&有吉かりそめ天国』のディレクターから連絡があり、写真を使わせてほしいと依頼されて提供したりもしましたよ。石垣島でも『石垣島にこないでください』というテーマのブログがバズったようですし、県外の人達は沖縄がどういう状態なのか知りたがっているんだと思いました」

あ、わたしも記事読みました。閑散とした写真の数々が、リアルだなと思いました。やはり街の様子なども含め、ブロガーとして情報収集は欠かさない感じなのでしょうか?

「なるべく色々と見て回るようにはしていますね。あと休業情報などは毎日のように入ってきます。知人から直接連絡をもらう時もあれば、SNSなどで見つけることもありますね。実は困っていることがあって。自粛前に行った店、20記事分くらい溜まってるんですよ。自粛警察が怖いし、営業形態も変わってそうなので、お蔵入りする可能性もありますよね」

今後の沖縄飲食店について

提供写真:マツコ&有吉かりそめ天国にも提供した、国際通り写真

最後に、沖縄の飲食業界は今後どうなっていくと思いますか?

「人が3食食べて、飲むという行動に変わりはないので、この流れを中食需要の拡大と捉えるかどうかにかかっているかなと思います。例えばデニーズのようにゴーストキッチンを活用したテイクアウト中心にするか、複数の屋号で場所をシェアする二毛作店、食中毒の観点から食肉加工などの許可を得た店舗とのコラボなど、更に業態は多様化するんじゃないかなと思います。逆にそれらを取りまとめるコンサル的な新しいビジネスが誕生するかもしれませんよね。そういった意味では、飲食業はアイデア次第でチャンスの時代なのかもしれません」

なるほど。変化しながら生き続けるイメージですかね。

「そうですね。今後はテイクアウトと自宅飯+オンライン飲み会というスタイルを取り入れる人もいるでしょうし。安いだけで特徴のない普通の居酒屋なんかは厳しくなるかもしれませんね。どちらにせよ、飲食店にとっては淘汰の時代がくるかもしれませんが、やはり応援したい店はたくさんあるので、自粛期間が終わったら、僕は僕の応援したい店になるべく足を運ぶようにしたいなと思っています」

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 数々の飲食店を食べ歩き、店主との人間関係も丁寧につくってきたくまぽんさん。誰もが『仕方のないこと』だと言いながらも、やはりいつ終わるんだろうかという不安を抱える中、冷静に分析しながらも飲食店愛に溢れる話を聞くことができた。

 どういう状況なのか、どういう気持ちで判断したのか、そういったものが見える距離だからこそ、やはり『僕は僕の応援したい店になるべく足を運ぶ』という言葉こそが全てだと感じた。

 わたしもイチ消費者として、足を運ぶお店を選び、人に紹介するという、単純で最低限だけど自分にできることをやっていきたいと思った。

◎くまんちゅ(熊人)の気まぐれ備忘ログ
https://kumanchu.com/

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三好 優実

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香川県出身・沖縄移住歴6年目のフリーランス編集者・ライター。主に沖縄県内の観光・グルメ・経済について執筆。シリーズ本「香川県あるある」の著者。

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