修学旅行はリピーターにつながらない? ポストコロナの沖縄観光の課題とは

 
世代別・過去の訪沖目的別の沖縄への観光旅行意向(発表資料より)

「当分の間旅行することはない」

 修学旅行、観光レジャーや新婚旅行・ウェディングなど、過去に沖縄を訪れた目的別で再訪の意向を聞いた調査では、観光レジャー目的での訪沖経験がある場合にはZ世代の「具体的に沖縄への観光旅行を計画している」が約2割、「3年以内に行きたい」「いつか行きたい」を含めると約7割が旅行への意向を示す結果となっている。

 その一方で、過去の訪沖経験が修学旅行のみの場合には40代以上の8割、ミレニアル世代の約7割、そしてZ世代でも半数近くが「当分の間沖縄へ旅行することはない」と回答修学旅行が各世代でリピーター獲得につながっていない現状が浮き彫りになっている。

 また、マリンレジャー経験では最も多い「海水浴」をしたことがあるという回答が、40歳以上の75.8%に比べて、旅行牽引世代では59.9%となっている。旅行牽引世代は関心や参加意向が高いものの、経験そのものが全般的に少ないため、マリンレジャーが旅行先や現地でのアクテビティの動機・目的として「想起されない恐れがある」との指摘もあった。

レンタカー依存からの脱却を

 上述の調査結果を受けて、公庫は①車離れによる旅行意向の低下、②移動距離の遠さと時間の長さ・交通費の高さ、③修学旅行のみの場合の再訪意向の低さ、④マリンレジャーが沖縄旅行の目的として想起されない恐れ、⑤InstagramとTwitterの利用率の5点を課題として設定。

 その上で今後の沖縄観光・観光地のあり方として、車(レンタカー)に依存しないで移動できる交通体系の構築移動時間が長く交通費が高くても行きたくなるような魅力の磨き上げと発信興味・関心を高めるための修学旅行内容の創意工夫、そして旅行牽引世代が活用している媒体を通じた情報発信の強化などを提言としてまとめている。

■関連リンク
「誰のための観光なのか」これからの沖縄観光に必要なこと① ‖ HUB沖縄
地元への目線なき観光に未来はない これからの沖縄観光に必要なこと② ‖ HUB沖縄
渋滞解消はゴールじゃない 車中心思考からの脱却を 沖振計にツッこむ〜公共交通編(1)‖ HUB沖縄

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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