住宅地と商業地で上昇率が大幅縮小 公示地価

 

 国土交通省は23日、今年1月1日時点の公示地価を発表した。県内の公示地価は、平均で住宅地が前年比1.0%、商業地が同0.2%、工業地は同17.0%、それぞれ上昇した。新型コロナウイルスの影響で、住宅地と商業地の伸び率が大幅に縮小する一方、工業地は好調を維持した。

 今回の地価公示では、コロナ禍で全国的に地価が下落した。47都道府県のうち、住宅地、商業地の平均が前年から下落したのは38〜39自治体に上る。沖縄では、住宅地・商業地とも、かろうじて上昇を維持したが、両用途とも上昇率の縮小幅は全国で最大となった。

県内最高値は商業地・住宅地とも下落

 県内商業地の最高値は、20年連続の「那覇市久茂地3丁目1番1」で、価格は前年比1.5%下落の1平方メートル当たり195万円。同地点は、2019年の同38.6%上昇、2020年の同41.4%上昇といった大幅な伸びから、下落に転じた。

 県地価公示分科会(濱元毅代表幹事)によると、国際通りに沿いに位置する同地点での地価下落は、新型コロナの影響による観光客の減少が要因。観光客減による商業地の下落は、東京都の銀座地区、大阪府の道頓堀地区など全国でも幅広く見られている。

 また、那覇市の中心市街地で観光客を主な顧客とする地点や、首里城に近接する地点でも、同様に商業地の地価が0.5〜4.0%程度、下落した。一方、那覇市でも中心市街地郊外にあり地元客を中心とする商業地では横ばいや微増の地点もあり、明暗が分かれた。

 住宅地の県内最高地点となった「那覇市おもろまち3丁目6番11」(1平方メートル当たり38万2000円)は、前年比0.8%の下落。同地点は、2019年は同30.0%、2020年は同9.7%、いずれも上昇していた。

北谷町、商業地と住宅地で上昇率トップ

 公示地価の地点がある県内市町村のうち、最も高い上昇率を示したのは、住宅地・商業地とも北谷町だった。同町は、住宅地の平均変動率で5.1%(2020年は15.0%)、商業地での平均変動率では3.6%(同13.0%)となり、上げ率を大幅に縮小しながらも一定の上昇を維持した。

  県地価公示分科会は、同町について「住環境が良く、コロナの影響はあったが元々人気のあるエリア」「商業地も、観光客が顧客の中心ではあるものの、県内若者層や米軍人家族からも人気がある」と評価している。

 市町村別で住宅地の上昇率が3位となった糸満市については「かなり前になるが西海岸道路が4車線化している。住環境が良いと評価されていたところで、那覇市からのアクセスの良さが評価されだした」と指摘した。

 商業地で2位に入った宮古島市に関しては「石垣市に比べて商業地として取引されるエリアが小さく、供給量も圧倒的に少ない。平均単価でも石垣市より割安感がある。ヒルトンの進出などでも、投資環境で評価されている」と分析した。

豊見城市豊崎(工業地)の上昇率は全国1位

 県内の住宅地と商業地が前年より上げ率を大きく縮小したのに対し、工業地は前年比17.0%上昇(2020年は同20.9%上昇)と好調を維持した。同分科会は「新型コロナの影響で貨物輸送量は減少傾向にあるが、流通倉庫や中小工場の需要に対して県内では十分な広さを確保できる工業地が少なく、需要超過が続いている。特に、那覇空港や那覇港へのアクセスが良い西海岸は圧倒的に工業用地が供給不足となっている」としている。

 豊見城市の「豊崎3番62」の上昇率は昨年とほぼ同じ29.1%で、全国の地価上昇率で商業地・住宅地を含めて最も高い値となった。また、糸満市の「西崎町5丁目8番外」の上昇率は22.4%で全国3位、那覇市の「港町3丁目7番10」の上昇率は14.0%で同10位となった。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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