沖縄銀行が16年ぶりベア 孫のための「んまが休暇」新設や副業可も

 
16年ぶりのベアとなる沖縄銀行

 沖縄銀行を傘下に置くおきなわフィナンシャルグループ(OFG、山城正保社長)が、7月1日に賃金のベースアップ(ベア)を実施する。沖銀のベアは16年ぶり。役員を除く社員、嘱託員、パートタイマーを対象に基本給を3%引き上げ、定期昇給分を含めると5.44%の賃上げとなる。社員の生産性向上に報いるほか、物価高騰に伴う家計負担の増加抑制、職員のやりがい向上によるサービスの充実を図ることが狙い。

嘱託員、パートは2回賃上げ

 沖縄銀行で前回ベアを実施したのは2007年で、当時あった一般職が対象だった。その後、沖銀は19年に一般職廃止と地域総合職の設立に伴う処遇改善、20年4月には初任給の改定を行った。今回は初任給改定において賃金表が改訂されている部分については対象外となる。

 一方、嘱託員とパートタイマーは4月にも賃金引き上げがあるため、7月と合わせて2回賃上げを実施することになる。

 県内金融機関のベアについては琉球銀行も今年1月、2023年度の春闘に向けて2015年以来8年ぶりに実施する方針を発表していた。物価の高騰で家計が圧迫される中、各業界に賃上げの動きが波及していくことが期待される。

フレックスも導入 「ウェルビーイング」を実現

おきなわフィナンシャルグループ

 また、OFGは4月1日からフレックスタイム制度を導入した。「社員一人一人のニーズに合った細やかな時間調整が可能となり、育児や介護などの理由に限らず、多様化するライフスタイルに合わせて効率的に時間を活用することが可能となります」とし、労働生産性やサービスの向上を目指す。

 その他、孫を養育する社員を対象とした休暇制度「んまが(沖縄の方言で孫)休暇」も新設。これまでも小学校就学の始期に達するまでの子どもを養育する社員は、子どもが負傷したり病気にかかったりした際に有給を取得できる「看護休暇」があったが、この制度の対象に孫を養育する社員を追加する。

 「原則禁止」としていた副業についても、「事前の届出」により可能とし、社員が自発的、積極的に外部からの知見、経験を獲得できる環境を整えた。OFGは「金銭的報酬および非金銭的報酬の両面を高めていくことで職員のウェルビーイング(精神的、身体的、社会的に健康な状態)を実現し、さらなる価値創造により地域社会の発展に寄与いたします」としている。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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