「日本語会話ができる」6割 在沖外国人が行政に一番求めること
- 2022/2/19
- 社会
外国語が話せなくても「やさしい日本語」で
言葉の壁に対しては、他言語対応の他にも「やさしい日本語」という考え方を政府としても推奨している。外国人でも理解しやすいように工夫された日本語のことで、文化庁ではガイドラインを作成・配布している。
※やさしい日本語の例 「土足厳禁」⇒「くつを ぬいで ください」
国際語の代表格で話者や学習者の多い英語では「Simple English(簡単な英語)」の概念が一定程度定着しており、ウィキペディアには通常の英語版に加えてSimple English版が整備されているなどの事例もある。
働き世代が中心 沖縄社会に寄与したい声も
沖縄に住む外国人は20~30代の働き盛り世代が全体の73.0%を占めている。沖縄に来た理由は「働くため」が最多で31.4%だ。今後も沖縄での永住を希望する人は多く、全体の75.7%を占めた。住み続けたい理由(複数回答可)としては「住みやすい自然環境・気候」が19.1%、「沖縄が好き」が18.2%、「人が親切・人が好き」が14.8%と続く。回答からは「親切な人が多く感謝しています」「沖縄は故郷のような場所です」との肯定的な声が多く見受けられる。
それ故、積極的に沖縄社会に寄与したいという声も目立つ。自由記述では「貿易で沖縄をもっと発展させたい」「本土との経済や教育の格差を埋めたい」「技術系スタートアップの多いハイテク社会に寄与したい」「東南アジアとの貨物輸送の中心地にしたい」との回答があった。
しかしその一方で、彼ら彼女のような多言語話者や多様な文化背景を知る“国際人材”を、沖縄社会が上手く取り込めずにお互いにとってプラスの影響を与えていないことも否めない。ある留学生は「有能であるしフレンドリーであることを自負しているので、もっと働いたり学んだりする機会与えてもらえれば」と訴えている。
それらを象徴するかのように、まだまだ一定数の沖縄県民が「外国人」に対してフラットな視点で接しきれていないことや、外国人の気持ちに立てていないことを指し示す回答もあった。「日本人と同じように扱うことを想像しながら、外国人にも接してほしいです。外国人は『あなたの持つ他国へのイメージ』に合わせるためにいるわけではありません」
望まれる積極的な交流
本調査の結果は今後、各自治体や国際交流団体などでの活用が想定されており、沖縄県交流推進課は「本県に活力を生む、沖縄ならではの多文化共生を形成していきたい」としている。
沖縄に興味を持って、沖縄が好きになって、沖縄に住んでいる外国出身の人々。調査では沖縄の人々ともっと交流を深め、文化を深く知りたがっている人も多かった。みなさんも気軽に「ようこそ」と笑顔で話しかけてみては?