“まん防”適用から1週間 飲食店は時短疲れ、協力金バブルで不公平感も

 

 さらに、協力金の支給が遅れがちなことへの不満もある。那覇市内でバーを1人で切り盛りする男性は、協力金が支給されれば「この苦境を乗り切れる」という。しかし、問題は支給のスピード感だと言う。

「つい先日、1月に申請した協力金がやっときた。周りにはそれもまだ来ていない所もある。給付までは基本的に自分や店のお金からの『持ち出し』。1人、2人の店ならまだしも、人件費も含めていろんな大きめの支払いがある所ほど苦しくなる。申請したとしても、支給のタイムラグが2ヶ月とか3ヶ月になってくると、その間に力尽きてしまう店もそろそろ出てくるかもしれない」

 同じ飲食業界の中でも、飲食店には協力金が出ても、関連する事業者には出ていないとの指摘もある。先ほどのバーを経営する男性はこう言う。

「飲食に関わる人たちの中でも、酒屋さんは、卸先の休業や時短で売り上げが9割減という所も普通にある。コロナ禍になってもう1年が経っているのに、そこへの施策がまだ何も形になっていないのはさすがにおかしいのではないか」

 今回のまん延防止措置に係る支援策では、ようやく売上高に応じた金額を算出して支給する形になったが、これまで1年以上の間多様な飲食業の現場に一律給付で補償し続けたことによる歪みの表出は免れていないのが現状だ。また、政府は重点措置に指定された地域の飲食店と取引のある事業者にも支援金を配布する方針を示しているが、手続きはまだ開始されておらず、困窮した事業者の手元に届くのはまだ先になりそうだ。

 人口あたりの飲食店数が多い沖縄で、全ての店舗が満足いくような救済措置を実行することは、さすがに困難であろうが、行政や関係機関が飲食やそこに関わる事業者の業態や営業規模など現場の現状をしっかり把握して、よりフェアな形の支援を、それもスピード感を持って実施していくことに期待したい。

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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