県全域で時短要請 不要不急の外出自粛も
- 2021/4/11
- 新型コロナ・医療
玉城デニー知事は10日、県庁で会見し、沖縄本島9市を新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」の対象区域にすると発表した。また、これまで本島中南部20市町村で飲食店等に行ってきた午後9時までの時短要請を県全域に拡大したほか、時間も午後8時までに前倒しした。県民に対しては、不要不急の外出や島をまたぐ移動、県外との往来について自粛するよう呼び掛けた。要請期間は4月12日~5月5日。
県内では、10日までに4日連続して100人を超える新規感染者が発表されるなど、感染拡大に歯止めが掛かっていない状況が継続している。3月上旬に約50%まで下落していた新型コロナ対応の病床占有率は98.0%に達したほか、重症化のリスクが高い高齢者の感染も増加しつつあり、医療現場もひっ迫しているという。
同措置の対象が本島9市と広域となったことについて、玉城知事は「本島全域で1週間当たり新規陽性者が増加しており、各地の繁華街等から周辺への感染の伝播を防ぐため」と説明した。また、県は同日の対策本部会議で県内の警戒レベルを最も高い第4段階の「感染まん延期」に引き上げた。
同日の会見には、専門家会議委員で中部病院医師でもある高山義浩氏も同席した。高山氏は「新規に確認される感染者数は高いレベルで推移している。先週までは感染の勢いが一旦鈍ってきたかのように見えたが、今週は(感染の)勢いが加速している。さらに感染が拡大していった場合には、医療崩壊が避けられない状況」と強調した。
これまでの県の対応について記者団から所感を問われたのに対し、高山氏は「4月1日から(本島中南部20市町村で飲食店などに行っていた午後9時までの)時短要請の効果を見てきたが、それで(感染を)封じることができなかった」と語った。
その上で、高山氏は「経済への影響を含めて知事は判断していると思う。感染対策の部分だけでなく、経済側の専門家と話し合って、本当の良い落とし所はどうだったかを考えていくことが、こういったことを繰り返さないために重要だろうという議論が(専門家会議では)あった」と述べた。
来県自粛要請には踏み込まず
今回、県は観光客などに向けては「それぞれの都道府県で示されている旅行や帰省についての方針に従ってほしい」として、来県自粛要請には踏み込まなかった。この点を記者団から問われた玉城知事は「まん延防止重点措置は、我々は県民に対して行動の自粛を求めるもの。他方で、それぞれの県でも県民に対して呼び掛けが行われると思っている」と述べるに止めた。
聖火リレーについては、玉城知事は「実行委員会で決定していくということ。今日の対策本部では、市町村と調整しながら、どのような形で行っていくかについて取り組んでいくという話だった。対策本部からは、感染防止対策を万全に対応するように意見を申し述べた」と話した。
県は、新たな時短要請に伴い、まん延防止措置の対象地域と同地域以外に区分して協力金を支給する。対象地域では、店舗当たり96万円以上(売上に応じて1日当たり4万円~20万円)、同地域以外では店舗当たりで一律96万円となる。
(記事・写真 宮古毎日新聞)