「まん延防止措置」沖縄にも適用へ 県が方針転換

 

 玉城デニー知事は9日の定例会見で、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」を国に要請する方針を固めたことを明らかにした。対象地域は沖縄本島の9市となる見込みで、期間は12日から5月5日。

 県との調整を経て9日、国は沖縄に同措置の適用を決定した。これにより、県は対象地域で飲食店などに午後8時までの営業時間短縮を要請することができるほか、罰則の適用も可能となる。

 これまで、県は域内経済に与える影響を考慮して、同措置の申請には慎重な姿勢を示していた。7日の会見で、玉城知事は「まん延防止等重点措置は、行動や移動の自粛を伴う。県内経済にどのような影響を与えるかは言わずもがなだ。慎重の上にも慎重に判断するため、さまざまなエビデンスを的確に分析して判断していくことが肝要だ」と述べている。

 陽性者1人から何人に感染が広がったかを示す「実効再生産数」が沖縄本島で低下傾向にあるほか、推定感染源が飲食関係の感染者数も減少に転じていることも理由だったが、新規陽性者数が3日連続で100人を超えるなど感染拡大に歯止めが掛からず、県は方針転換に踏み切らざるを得なくなった。

 玉城知事は10日、「この局面を乗り越えるためには、やむなしと判断した。最初は徐々に(経済などを)締めていこうと考えていたが、これだけ急拡大していたら、徐々に締めても追いつかないという状況と判断した」と語った。

 県が特に警戒しているのが、変異株だ。県は毎週、陽性例の一部について衛生環境研究所で変異株の検査を行っているが、今週は調査した83例のうち20人について感染力が強い変異株「N501Y」と判断されたという。変異株だった確率は、前週の5.3%から24.1%に跳ね上がった。

10日の対策本部会議で詳細決定へ

 県は、10日に対策本部会議を開催し、今後の具体的な対策を決定する。飲食店などへの時短要請を全県に拡大する可能性もあり、同会議での議論が注目される。5月1日、2日の両日に県内で実施予定の聖火リレーについても、同会議で判断する。

 玉城知事は、聖火リレーについて「例えば大阪府が検討している一般客を入れない実施や、リレーはしないがセレモニーだけ行うとか、そういうことについても今部局の方で情報を収集している。県内14市町村で実施予定なので、各市町村の意向も聞いている」と述べた。

(記事・図 宮古毎日新聞)

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