伝統芸能が直面する苦難-国立劇場おきなわ コロナ禍の模索と展望(下)

 
国立劇場おきなわ芸術監督 嘉数道彦氏

 “沖縄伝統芸能の殿堂”といわれる国立劇場おきなわでも新型コロナウイルスの影響で、半数近くの自主公演が中止や延期となっていた。コロナ禍の2020年に劇場が直面してきた困難を振り返りながら、今後の展望などを国立劇場おきなわの嘉数道彦芸術監督に聞いた。今回はそのインタビューの後半をお送りする。

世間話も文化継承「気軽に集えない寂しさ」

 国立劇場おきなわでは現在も、マスク着用やアルコールでの手指消毒はもちろんのこと、楽屋に出入りする付き人(各出演者の衣装・化粧・結髪などを手伝う人のこと)を減らしてもらったり、稽古時間をずらして出演者同士が密集しないようにしたり、時間短縮のために舞台化粧を無しにしてリハーサルに取り組んだりするなど、様々工夫しながらも舞台活動を継続している。

 劇場に人々が気軽に集って世間話ができなくなったことは、文化継承にも影を落としているという。

 国立劇場おきなわ嘉数道彦芸術監督は「最低限の稽古は今でも継続しているが、ベテランの先生方が稽古指導以外で話す茶飲み話も、芸能文化継承にとっては大きな意義のある時間だ。しかし、今はそういった事も省かねばならないつらい時期。たしかに運営が合理的になった面もあるが、一見無駄と思えるような人間的なやり取りが無くなってしまうと、劇場としては寂しい限りだ」と話す。

共通ロビー(公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団提供)
Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が世界自然遺産に正式決定する見通しだ。そのう…
  2.  6月末の沖縄県議会で、県立中部病院で発生した新型コロナウイルスのクラスターについての公表…
  3.  新型コロナウイルスワクチンの供給をめぐって、沖縄県と県内の複数の市との間でつばぜり合いが…
  4.  コロナ禍で去年は中止となった全国高校野球選手権沖縄大会は、18日に決勝戦が行われ、65校…
  5.  任期満了に伴い、7月11日に投開票された那覇市議会議員選挙では、40の議席を巡って63人…
琉球海運_広告国場組大寛組前田鶏卵
国場組大寛組前田鶏卵琉球海運_広告

特集記事

  1.  新型コロナウイルスワクチンの供給をめぐって、沖縄県と県内の複数の市との間でつばぜり合いが…
  2.  沖縄県金融広報委員会(事務局・日銀)が2019年に全国を対象に実施した金融リテラ…
  3.  亜熱帯の森に希少な固有種が多数生息する奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島について、…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ