女性の社会進出で「男性も生きやすく」 起業支援・沖縄ガールズスクエア

 

「挑戦者が支える社会」

 人々がもっと気軽に起業できる世の中を、岩渕さんはどのように見据えているのか。
 「量産型の商品やサービスも良いですが、(起業した)一人ひとりのこだわりが詰まった商品やサービスがたくさんあるのは魅力的ですよね。100人雇う大企業より100人の個人事業主がいた方が街は活性化すると思います。『何かやろう』と前向きな人が集まると、課題解決型のビジネスも増えて、結果として街全体が住みやすくなると思います」

 岩渕さんと同じように、起業家が増えると「社会課題がなくなっていく」と話すのは、沖縄市でスタートアップ(起業)支援を行うStartup Lab Lagoonの共同代表を務める野中光さんだ。

 「起業する人は、金儲け第一主義ではなくて『問題を解決したい』『社会を面白くしたい』という善意で始める人が多い。善意で頑張る人が増えたら、社会は良くなるはずです」

 この施設も沖縄ガールズスクエアと同様、飲食店の試験開業用の場を提供している他、さまざまなイベントや創業支援、コワーキングカフェの運営などを通して、新たな起業家の誕生をサポートしてきた。

 同施設の代表・豊里健一郎さんは「多くの起業家が生まれて、多くの起業家が退いていく“多産多死”の状況ですが、それでも良いと思っています。大切なのは失敗しても再起できるようにしておくことです」と、絶え間ない挑戦を後押しする。そして、過去から現在に至るまでの“起業人”の功績を語る。
 「挑戦する人がいるからこそ産業も雇用も生まれてきました。いつの時代も起業家が社会を支えてきた一面があると思っています」

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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