日常に美味しい幸せを 「papoter pepin パポテぺパン」(首里当蔵)

 

毎日食べられる優しいおやつ

生チョコレートタルトをカットする早紀さん

 「できるだけ素朴で、毎日食べられるようなものがいい」と朗らかに話すおやつ担当の早紀さん。「お菓子」という言い方だと特別なものという意味を持ってしまうので、あえて気軽な表現の“おやつ”と呼ぶようにしている。肩書きはウチナーグチの「やーさのうし(空腹しのぎ)」を捩って、「やーさのう師」。「パティシエ兼やーさのう師じゃなくて、やーさのう師兼パティシエです」とおどける。子どもに食べさせたくなるような、シンプルで体に優しい仕上がりのおやつを作るように心がけている。

 パポテペパンのおやつの特徴は糖分が少ないことと、微かに効いた塩味の絶妙なバランス。全体的にシンプルなレシピで、コーヒーはもちろん、ワインにも合う。定番商品のフランス菓子「きびガレット」は控えた甘さの中に微量の塩気があり、香ばしさを感じさせながら口の中でホロホロと崩れ溶ける。イタリア伝統菓子「ビスコッティ」はガリッとした歯応えに、黒糖とピーナツがどこか懐かしい風味を感じさせて飽きがこない味。首里高校出身の早紀さんが地元への思い入れで首里城再建支援の願いを込めて作った「首里城SAIKOU(最高/再構)クッキー」も好評だ。

定番商品の1つ「トラオ」

 季節ごとに旬の素材や県産の素材を取り入れた新たなおやつも日々試作を続けながら、バリエーションも増やしている。「定番もしっかり作りながら、変化をつける努力も怠りたくない。毎日食べてほしいから、お客さんが飽きずに楽しめるようにするのが理想です」。現在もできるだけ沖縄の食材を使うようにしているが、今後はもっと増やしていきたいという。「地元の人たちに、もっと地元の食材を好きになってほしい。そんな思いも込めて作ってます」と微笑んだ。

「パポテペパン」の外観

<店舗情報>

・おやつとコーヒー、自然派ワインの店「papoter pepin パポテペパン」

・営業時間:11:00~18:00

・定休日:日曜日

・電話番号:098-987-6725

・那覇市首里当蔵町2-14

・駐車場:有(別施設敷地内のため駐車場所の確認が必要)

・Instagram:https://www.instagram.com/papoter_pepin/?hl=ja

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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