日常に美味しい幸せを 「papoter pepin パポテぺパン」(首里当蔵)

 

体に染み込む自然派ワイン

 「飲むと、体が美味しいと判断しているとしか言いようがない味わい」。周さんは自然派ワインの味をこう評する。「五感を超えたところで、体に染み込んできているような感覚で、何度飲んでもちゃんと言葉にできない。だから確かめたくてまた飲んでしまう。その繰り返しですね」

 そもそも「自然派ワイン」とは何か、ということに疑問符がつくが、現時点で明確な定義はない。自然の中で極力人間の手を加えず、原料となるブドウの力を存分に発揮させる形でボトリングしたワイン、というニュアンスで使われることが多い。通常のワインと違い、酸化防止のための亜硫酸塩を使わないか、その使用量が極めて少ないため、味わいの振れ幅が大きく「圧倒的な個性がある」(周さん)。

見た目に楽しいエチケットのボトル。価格帯も様々。

 一方で、通常の飲み慣れたワインの味を求める人にとっては香りが独特過ぎるように感じて好き嫌いが別れるという側面もあり、通常のワインを飲む人たちの間では「自然派=臭い」というイメージが根強くある。パポテペパンを開店する時にも、「クラシックな普通のボトルも置いて、自然派だけを扱うのは止めた方がいい」と助言されたこともあったが、周さんは「自分が美味しいと思ってないものは売れない」という考えを曲げずに自然派ワインのみをショーケースに並べている。現在も否定的な印象が完全に払拭されたとは言えないが、自然派ワインを買いに訪ねてくる人は確実に増えているといい「理解が広がってることを実感として感じる」と手応えを語る。

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