「働きたくない」「経営が不安定」沖縄観光、コロナ禍でイメージダウン

 

重要性認めつつオーバーツーリズムへの懸念も

 沖縄観光に対する意識について、日本人観光客の来訪が「もっと増えるとよい」「少し増えるとよい」の「増えて欲しい層」は県全体としては73.8%を占めるのに対し、自分が居住する市町村に「増えて欲しい層」は53.6%で、数値にギャップが出た。

 この結果には「観光客が増えることで経済的に潤うのは歓迎だが、その一方で自分の生活圏で支障が出る程には増えないでほしい」という地元県民の生活感覚が反映されていると考えられる。

 ただ、沖縄観光発展への期待については、居住市町村でも「期待する層(とても思う+やや思う)」が約6割、県全体では73.1%を占めており、大きく期待されているのも確かだ。

 沖縄の発展に観光が重要な役割を果たしているかどうかという問いには「とても思う」との回答が約半数で、「やや思う」も加えると観光の重要性を評価する答えは82.8%に上る。「とても思う」の割合は調査を重ねるごとに数値が増加しており、観光の重要性を認める傾向は高まっているとも言えそうだ。

 関連して、コロナ収束後の観光推進の重要性についても肯定の意見は約8割となっており、その理由として最も多かったのは「沖縄経済にとって重要な産業だから」という項目だった。

 他方で、オーバーツーリズムへの懸念も示されている。

 コロナ収束後の観光推進について「重要だと思わない」とした人の中で、「オーバーツーリズムの状況が発生するから」と回答した人たちに対策を複数回答で尋ねたところ、「観光客の立ち入れる区域、期間、時間や人数などを制限する地域を設ける」「地域にとって適正な観光客数と、観光客数の現状が目に見えて分かるようにする」といった答えが約7割を占めた。

 コロナ禍に突入した当初から、人流抑制の影響を直に受ける観光業の脆弱性やそれに伴って発生する人材やリソースの不足は関係者に再三指摘されてきた。2年以上が経過したが、観光事業者への経営支援策は十分に実施されておらず、結果に示された「経営が不安定」というイメージが完全に現実と結びついていると言わざるを得ないのが現状だ。

 「観光立県」を標榜する県がこの結果をどれだけ重く受け止め、そして感染対策と観光復興の両立にどれだけ真剣に臨むことが出来るのか。越えなければならない壁は高い。

■関連リンク
令和3年度沖縄観光に関する県民意識の調査結果報告書(沖縄県HP内)
第7波による行動制限、「全国旅行支援」延期を懸念 沖縄観光事業者が第2回決起集会 ‖ HUB沖縄
人材不足と物価高「全部が痛手」 夏の観光ピーク突入、沖縄県内飲食業の今 ‖ HUB沖縄

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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