第7波による行動制限、「全国旅行支援」延期を懸念 沖縄観光事業者が第2回決起集会

 
公平な支援を求め、気勢を揚げる沖縄の観光事業者たち=7月20日、沖縄県那覇市の県民広場

 コロナ禍の損失補填を求める「これまでの沖縄県の自粛要請に伴う観光事業者への協力金支給を実現させる会」(金城仁筆頭発起人代表)が7月20日、那覇市の県庁前にある県民広場で第2回決起集会を開いた。旅行代理店やレンタカー、観光バスなど関連事業者の職員ら約300人が集結。協力金の支給実現を求めたほか、コロナ感染「第7波」の急拡大による行動制限や、政府が今月14日に観光需要喚起策「全国旅行支援」の延期を決めたことに対して強い懸念を示した。同会は5月上旬にも同様の集会を開いている。

 事務局によると、4月下旬に始めた署名活動は7月19日時点で約3,500筆に達した。5千筆を目標に掲げ、現在も募っている。

沖縄に寄与しない「隣県割」と「ブロック割」

沖縄県庁を背に声を上げる観光事業者たち

 沿道で配布した「観光事業者と働く人々の生活、財産、人生を奪うな!」と記したチラシでは、コロナ禍1年目から県内飲食業に対する時短協力金で1200億円以上の補填が実施されたのに対し、県内総生産の約2割を占める観光業には経営支援策がなかったことを指摘。「観光事業者は完全に取り残された状態です。あまりにも不公平な状況を打破するため、一致団結し、無責任な行動制限による経済的補填を強く求めます」と窮状を訴えた。

 政府は全国旅行支援の延期と同時に、自治体主体で県内や隣県、地方ブロックへの旅行費用を割引する「県民割」を8月末まで延長することも決めた。しかし沖縄は県内需要に限界があり、離島県でもあることから「他県ではブロック割が効力を発し、傷ついた観光事業者の支えになっていますが、沖縄では隣県割、ブロック割は全く機能していません」と断じた。

 隣県割とブロック割の存在が、大都市圏の人々が近郊に旅行する流れをつくり、沖縄にとっての機会損失を起こしているとし、「島嶼県沖縄の不利性を理解しない政府の不公平な施策に振り回され、観光事業者は深刻な打撃を受けています」と痛烈に批判した。

「公平で十分な補償を」

 発起人の1人として挨拶した県内旅行会社大手「沖縄ツーリスト」の東良和会長は「なぜ一部のコロナ対策にだけ税金がじゃぶじゃぶと使われるのでしょうか」と疑問を投げ掛けた。仮に第7波でさらなる行動制限が発せられた場合は「公平で十分な補償をしてください。原資がないとは言わせません。沖縄県はだれ1人取り残さないと言っている。我々から生活、財産を奪い取る無責任な行動制限には断固反対します」と語気を強めた。

 県民割やブロック割についても「沖縄は海で隔てられ、大きな市場と隣り合っていない。沖縄の観光事業者にとっては全く意味がありません」ときっぱりと言い切った。

 「私たちは特別扱いをしてくださいと言っているのではありません。他府県のように、また飲食業の協力金のように、きちんとした公平な制度の上に立って、自分の仕事がしたいだけなんです」と語り、理解を求めた。

観光の復活で沖縄経済活性化を

閉会の挨拶を述べる金城仁筆頭発起人代表

 国際旅行社の與座嘉博社長も県による行動制限に反対し、「私たちは感染対策を取っておもてなしをしている。県には、経済の動きを止めない英断をお願いしたい」と訴えた。

 発起人のスピーチ後には、のぼりに書いた「観光事業者を取り残さないで」「公平なコロナ支援策を」などの文言を、全員で拳を突き上げながら唱和した。

 最後に閉会の挨拶でマイクを握った筆頭発起人代表の金城仁氏は「コロナ禍は続きますが、今後色々な制限がかかるようになるのであれば、他業種と同じような協力金をお願いしたいです。協力金が実現するまでこの活動を続け、国に対してもしっかり要望していきます。沖縄の観光が復活することで沖縄経済全体が潤うように、どうぞお力を貸してください」と沿道に呼び掛けた。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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