【慰霊の日】島に咲く“うむい”を未来に手渡す Rude-αが楽曲に込めた祈り
- 2022/6/23
- 社会
「答えが分からない」という答え
歌詞の中には「基地問題」というワードも出てくる。
生まれた時からそこにあったもの
島に残った基地問題
あっていいのか なくていいのか
僕には答えが分からない
Rude-αの父親は米軍基地の従業員で、基地の存在は自身の生活とは切っても切り離せないものとして常に有り続けた。「僕には答えが分からない」という歌詞は、決して無責任でもなく、諦めでも困惑でもなく、今を生きるアーティストとして今の沖縄に向き合った末に出てきた、1つの答えだった。
「基地がなかったら僕らは生活できてなかった。でも、基地があることで怖い思いをしている人たちももちろんいます。この答えはどっちなんだろう、って考えた時に『分からない』がストレートな自分の答えだなって思って、歌詞を書いてて腑に落ちたんです。
今まで、自分が沖縄の人間だという話を(県外で)した時に『基地はある方がいいのか、無い方がいいのか』という選択肢ばかり求められてきた気がするんです。でも、父親のことやそのもとで育ってきた自分について考えた時に、簡単に『無い方がいい』って言えないです、僕は。
だから、今基地があるという現実の状況の中で、自分が出来ることを探してやるしかないと考えていますね」
嘘をつかず、誰かのために音楽を紡ぎたい
Rude-αは「うむい」をリリースするために、19歳から所属していたメジャーレーベルを辞めた。上記のように基地問題について触れている歌詞では「絶対にリリースを止められる」と思ったからだという。「それが分かってたから、この曲が出来て、この曲を出すためだけに去年レーベルを辞めました。その自分の選択に後悔はしていません」
メジャーレーベルで音楽活動をすることで得た経験や大切な出会いは、もちろん尊いものだった。しかし同時に「好きな音楽もやってたつもりだったけど、正直やりたくないこともやっていた」とも話す。「いつの間にか自分をごまかすことに慣れていた」と今になって思うという。
だからこそ、自由な今は「自分の書きたい歌詞を書けることが幸せなんです」と清々しい表情を浮かべる。
これからの音楽への向き合い方を聞くと、真っ直ぐな眼差しで応えてくれた。
「出身でもある沖縄市という街のため、そして沖縄という島のためにやっていきたいという気持ちです。僕1人だけの力では世界は変えられないけど、1人でも多くの人の心を動かして、何かを変えられるような曲を発信出来ればいいなと。そして、これから先の音楽は、嘘をつかずに、誰かのために紡いでいきたいですね」
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