沖縄-韓国&台湾線販売再開 ソウル市民「めっちゃうれしい」

 

 沖縄と台湾を結ぶ航空路線が再開される中で、平良さんは2都市間だけではない、さらに大局的な国際的交流が進むことにも言及する。「沖縄から近い国際的なハブ空港として台湾桃園国際空港があります。知人のアメリカ人は、沖縄からアメリカに帰る時に一度台北に行ってカリフォルニア行きの便を使っていました。沖縄から台湾に行けるということは、台湾を足掛かりにして世界中に行けるということです」

 うるま市出身で台湾に住む20代の女性は、台湾人男性と婚約し、婚約者とその家族を連れて沖縄の両親と顔合わせをしたいと切望するが、直行便が無い上に日本入国時の隔離期間があったため、なかなか実現できずにいるまま半年が過ぎた。

 「沖縄行きの飛行機が飛び始めるのを、台湾の家族も心待ちにしています」と話す。訪日観光客の受け入れや那覇空港国際線再開の政府方針は台湾でもニュースになっていたといい「みんな喜んで話題にしていました。台湾の人は海外旅行ができない分、離島に行ったりキャンプに行ったりしています」と、韓国同様、海外旅行への意欲がくすぶっている状態で「ワクチン接種も進んでいるので『行けるんだったら行きたい』という思いだと思います」と現地事情を話す。

 仕事で何度も日本を訪れている、台湾の映像制作会社「6樓映像」代表の顏嘉佑さん(40)は、プライベートでも沖縄の他、日本各地を旅行してきた。これまで沖縄には3回訪問したことがあり、お気に入りの場所でもあるという。

 顏さんが気に掛けるのは、台湾の新型コロナ新規感染者数がこれまでに例を見ないほど拡大していることだ。人口約2400万人の台湾で、ことしはおおむね1日あたり2桁台で推移していたものの、4月ごろから増え出し、5月後半には1日約8万人が新たに感染している。「台湾はまだ、海外に旅行できるような状況ではありません」と慎重な姿勢を示すが「すぐ落ち着くと信じています」と希望を抱く。

「沖縄にスタッフを置いて仕事もしたいですし、将来的は民宿の経営とかもやりたいです」と、経営者としての新たな夢も思い描いているところだ。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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