域内30機関を連携、確実な医療提供 沖縄県北部のコロナ対策

 

市町村での取り組み

 政府が掲げていた、高齢者へのワクチン接種目標である「全ての希望者に7月末までの完了」が達成されたことで、宮里医師は「今回の事態では市町村も頑張りました。特にワクチン接種については医師会と市町村が密に協力していました」と話す。

 その他にも市町村では、患者家族の買い物支援や、濃厚接触者分離のための宿泊施設の準備なども行った。

ゼロにはできないコロナ 適切な医療と行動を

 「コロナが地球上から無くなることはありません。こんなに世界規模で広がってしまったものはゼロにはできません」-。この言葉からはある種の絶望感までも抱いてしまいそうになるが、そうではなく、「医療でコントロールできる程度の感染状況に抑えること」が新型コロナ対応の目指すべき形だと宮里医師は示す。

 この“医療でコントロールできる程度”の感染症として、イメージが付きやすいのはインフルエンザだ。季節性のものとして流行が発生しても、治療薬が簡単に手に入り、予防接種も一般的で、きっと多くの人にとっては「恐怖の感染症」という認識ではないだろう。

 約70万人の死亡者が出たアメリカなど他国と比べて、国内では感染者数に対する死亡者数が少ないことについて、宮里医師は「国民皆保険制度で医療から放置されないこと」と「医療水準の高さ」にあると解説する。

 外出などに罰則を設けず人々の良識に期待する政府の対応方針から、宮里医師は「日本はゼロコロナを目指さずに、コロナをコントロールして付き合っていくという道を選んだわけです。『適切な医療を確保し、適切な行動様式によって経済を回していく』というバランスをとる道しかないでしょう」と語る。

 「全くコロナ以前に戻るというのは数年から、長ければ10年はかかるでしょう。しかし日本は最終的に、世界でもトップクラスにコロナ対応が成功する国になると思います。これは希望的観測も含めてですが、それぐらい私は、日本の医療と国民の理性を信じています」

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長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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