移住体験「ふるさとワーホリ」事業 目指す人口増と問われる地域力

 

地域で異なる移住促進の考え方

 ただ、県内でも地域によって移住促進事業に対する考え方がそれぞれ異なるという。

 本島では国頭、東、大宜味の国頭三村は移住者の受け入れ増加も含めて積極的に取り組んでいるが、同じ本島北部でも本部町や今帰仁村にはすでに一定数の移住者が集まっているため、移住者の方と地元の方との関係が上手くいくための取り組みが求められている。

 移住者が多い地域になると、住民票を移さないまま居住実態だけがある、いわゆる「幽霊人口」が存在することがしばしば課題として挙げられる。ただし、石垣市の担当者に聞くと、「5年に一度の国勢調査では、市に住民票がなくても地域の住民としてカウントされる」として、「国からの補助金を算定する時など支障は特にない。大きな問題にはなっていない」と説明する。

地域活性にどうつなげるか

 コロナ禍でリモートワークやワーケーションが一般的になっており、地方に移住する人の後押しにもなっている。しかし、単純に移住者が増えただけでは、経済の視点で見た場合の地域活性にはつながりにくい点も指摘される。

 カルティベイトの宮城さんは「移住者がもし仕事も買い物も地域外で済ませた場合、金銭的には家賃ぐらいしか地域に還元されなくなります。人口を増やすこともそうですが、そもそも、移住希望者の条件に合う仕事があるかが大事です」と話す。人口増加を狙う以前の“地域力”が試される。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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