移住体験「ふるさとワーホリ」事業 目指す人口増と問われる地域力
- 2021/7/8
- 社会
しかし「昨年11月、12月ぐらいから、どっと人が集まり始めました。ふるさとワーホリ事業で沖縄に滞在している人は、最大同時数では25人ぐらいで、事業が始まった過去4年間で一番集まっていました」と宮城さん。その要因を「昨年11月は第二波にあったとはいえ、徐々にコロナへの感染予防など対処法もみんな分かってきて、社会が動き出した時期でもあったからではないか」と説明する。とはいえ、現在は今年5月に出た緊急事態宣言を受けて、新規の受け入れを一時的に止めている。
リモートワークで関心高まる沖縄移住
沖縄県の統計資料によると、コロナ禍になる前の2019年4月中は約6000人だった県外からの転入は、ことし同4月の数値で約4700人と減少している。
確かに転入者の数こそ減ったものの、宮城さんは、沖縄移住に興味を持っている人はコロナ禍でも依然増え続けていると説明する。
「コロナ禍になってからはリモートワークに注目が集まって、移住系ウェブメディアの登録者数も増えているようです」
移住者の増加は、地域活性や労働人口の充実が見込まれ、国も県も積極的に取り組む課題の一つだ。沖縄県の場合、観光地としても人気で温暖な気候や美しい自然にも恵まれていることから、移住先としての人気が高い。
沖縄の人口増加の割合については、47都道府県で唯一、出生数の増加による「自然増」が見られることがクローズアップされがちだが、2019年の総務省の人口推計によると、人口流入による「社会増」も、東京都、埼玉県、神奈川県に次いで4番目に高い。