【慰霊の日】沖縄ではタブー視されない「平和の歌」知花竜海インタビュー

 

沖縄では歌える“戦争や平和の歌”

「具体的なメッセージを言うとケンカになるんですよね」と知花さんが話すように、これは音楽シーンでも同様だった。「戦争とか平和のことを歌うと、大手レコード会社がストップをかけるラインになります。政治的という名目で」。しかし知花さんは、沖縄のシーンが持つ違いをこう話す。

「沖縄のミュージシャンは、少なくとも戦争や平和のことを歌っている人は結構いますし、そのハードルって他県に比べて低いんじゃないかと思うんです。だから、戦争や平和をテーマにした歌は、沖縄の中では“アリ”だとされているということなんですよ。そういう曲があることこそが、沖縄の未来のためになっているなと思います」

 そして、こう綴る。「沖縄の人々が大切にしている『命どぅ宝』という言葉は『お国のために死ね』とは真逆の概念です。『命どぅ宝』の言葉を大事にして、行動の原理にしていけば、間違いはないと思っています」

子どもたちへ「平和だから音楽ができる」

 慰霊の日当日には、自分の子ども達のバンド「Kikachi王」と自宅配信ライブを企画している。子どもたちにどのように平和の大切さを伝えていこうか試行錯誤を重ねているところではあるが「平和じゃなかったら、そもそも親子で音楽を楽しむことができないし、それをできるということ自体がかけがえのないことだよ、と伝えられたらと思います」


【知花竜海 × KiKaChi王 親子で自宅配信LIVE!!Vol.3】
2021年 6月23日(水) 18:30〜20:00 無料

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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