運転への抵抗感で沖縄旅行敬遠…Z世代の移動手段意識調査
- 2023/1/7
- 経済
「沖縄に行きたいと思わない理由」では、運転ポジ層と運転ネガ層+免許なし層とのギャップが最も大きかったのは「運転できないから」で、12.2ポイントとなった。「現地の公共交通は、不便そうだから」でも4.6ポイントのギャップが出ている。
また、行きたいと思わない理由のうちで最も多かったのは「沖縄県の中に、行きたい場所がないから」となっている。
対して「沖縄に行きたい理由」の項目で運転ポジ層と運転ネガ層+免許なし層とのギャップが最も大きかったのは「憧れの観光地だから」で、10ポイントの差が出た。旅先での運転が不安な人や免許を持っていない人たちが沖縄を“憧れ”と感じていることが可視化された。
また、行きたい理由で最も多かったのは「メジャーな観光地だから」で、「自然と触れ合うことができるから」「そこでしか食べられないものがあるから」が続いた。
観光客にも地元住民にも“使える”公共交通を
これらの調査結果を受けて、OCVB国内事業部国内プロモーション課の仲里樹主事は以下のようにコメントしている。
「今回の調査では、Z世代の6割以上が旅先での運転に対して抵抗感を抱えており、『運転ポジ層』と『運転ネガ層+運転免許なし層』で旅のスタイルや目的地に違いがあることが明らかになりました。また、公共交通の利用意向は約8割を超え、クルマ以外の交通手段ニーズへの高まりも見て取れました。今後、沖縄の持続可能な観光地の実現のためには、公共交通の環境整備を進めていくと共に、レンタカーだけじゃないおきなわ旅の発信をより強化していく必要があると考えています」
「若者の車離れ」というフレーズが定着しつつある社会的な現状の中で、これまでの沖縄観光の移動手段がいかに“レンタカー頼り”だったのかがあらためて浮き彫りになった。OCVB担当者の言葉にもある通り、コロナ禍からの復興も含めて今後の観光誘致に公共交通の整備は必須だ。むしろ、なぜ今までもっと注力してこなかったのかという疑問を持たざるをえない。
また、公共交通整備が進むことで恩恵を受けるのは観光客だけではなく、そこには地元住民も含まれる。「SDGs」や「持続可能な観光」といった言葉を標榜するからには、車移動を前提とした道路整備やまちづくりの枠組みを脱して、観光客にとっても地元住民にとってもアクセシビリティが担保された形で公共交通システムの構築を実現してほしいと願う。
■関連リンク
☆レンタカーだけじゃない!おきなわ旅の楽しみ方(沖縄観光情報WEBサイト「おきなわ物語」)
☆修学旅行はリピーターにつながらない? ポストコロナの沖縄観光の課題とは ‖ HUB沖縄
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