【完全無料】クローズド求人サイトリリース!沖縄の雇用に言及「繋がる場所が必要」
- 2020/6/15
- 経済
沖縄最大級の動画求人数を誇る動画求人サイト「オキナビ」を運営する株式会社プロアライアンスは先月、会員登録制・完全クローズドの求人サイト「沖縄求人応援サイト ウェブdeつながる-okinawa-」をリリースした。
既存の求人メディア「オキナビ」がありながら、求職者はもちろん企業も無料で使い放題の求人サイトをリリースしたというから驚きだ。(※2年後からの初回アカウント登録料のみ有料予定)掲載数の制限や閲覧制限もなし、登録料・使用料も全て無料だ。これは他の求人メディアしかり、株式会社プロアライアンスの収益源であるオキナビの首をも締めることになるのでは….?
「沖縄求人応援サイト ウェブdeつながる-okinawa-」とは
まずサイトについて説明したい。「沖縄求人応援サイト ウェブdeつながる-okinawa-」(以下:ウェブdeつながる)は完全クローズドの登録制サイトだ。企業側も求職者側も、登録者のみが閲覧できる。
企業も求職者も会員登録すれば自身のマイページが自動的に生成され、そこから企業は求人情報をどんどん更新できる。サイトは完全非公開。登録求職者のみが登録企業情報を閲覧でき、企業側も登録企業のみが求職者のプロフィール(公開部分のみ)をチェックできる。ウェブdeつながるを完全クローズドにしたのには理由がある。
まずひとつは、現在新型コロナウイルス感染拡大により合同説明会が軒並み中止になったこと。それにより対面での情報が得られにくくなり、企業側は会社のリアルを伝える機会を失った。ウェブdeつながるでは動画も自由にアップロードできるため、合同説明会に使用するはずだった“一般公開はできない動画”を掲載することができる。これはクローズドでしか実現できないだろう。
また、求職者側にもメリットがある。求職者は気になった企業があれば、SNSのような形で気軽にメッセージを送ることができる。合同説明会中止により、気軽に質問できる機会を失った学生にとっての場づくりにもなるだろう。また、企業からも求職者にメッセージを送ることができるのだが、求職者側が返信しない限り、名前や居住エリアなどは非公開のまま進められる。(就業希望属性、年齢、性別、市町村のみ企業は見ることができ、個人の特定はできない)
そして本サイト最大の魅力は、求職者側はもちろん、企業側もこれまで求人掲載時に費用がかかっていたが、求人掲載、メッセージ、採用までの一連の流れが全て”無料”という点だ。
どういうことかというと、まず本サイトは求人掲載料金は一生無料、掲載制限なしという大前提がある上で、リリースから2年以内(2022年6月30日まで)に登録を済ませた企業に関しては、アカウント発行料も無料なのである。つまり、2年後に新規契約する企業のみ、アカウント発行料として5万円を払うことになる。しかしそれでも、発行料5万円ポッキリを支払えば、それ以降の求人掲載は全て無料となる。
なぜ既存の求人メディアがありながら、新たな求人メディアを立ち上げたのか
ほぼ完全無料となると、自社で運用しているオキナビの首を締めることになるのではないだろうか。代表取締役・大城佑斗(おおしろゆうと)氏に話を聞いた。
まずリリースの経緯としては、クローズドの企業側メリットとして軽く前述したが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、合同説明会が軒並み中止となった事実があった。
これにより、企業側と求職者側が”つながれない”状態ができてしまったため、企業側と求職者が気軽にやりとりできる“接点”を作りたいと考えたのが第一のきっかけだった。
第二に、常に他社媒体をチェックする大城氏は、他求人メディア・媒体を見ながら沖縄全体の求人市場がほぼストップしたことに危機感を感じたという。求人が減ったことはもとより、仮説として“人は欲しいけど、固定費(広告費)を削減したい企業が増加した”のではないかと大城氏は考えた。もしそうだとしたら、そんな時でも求人を出したい企業はおそらくこれまで求人を出していた媒体の中から“お付き合いのある企業”に掲載を絞るようになり「お付き合い掲載」が始まっていくのではと予測。
そしてそれが加速した場合「どこかひとつの媒体に求人が集まらない」状態が完成してしまう。それは求職者にとって「探しづらい」の一点だろう。
大城氏は、今回のサイト立ち上げについて「オキナビ側のリスクもなくはないが、社会貢献の一貫としてどうしてもやりたかった」と話す。
リスクがありながらも立ち上げた理由は、3つある。まず、普段お世話になっている企業が新型コロナウイルスによって大きく打撃を受けているという点だ。新型コロナウイルスの影響受けた企業にとって、採用にかかる費用は重い。元々求人メディアは企業が盛り上がってこそ売り上げを作ることができると大城氏。普段お世話になっている企業が厳しい時こそ還元したいという想いだった。
そして2つ目は、沖縄全体の回復を願いたいという想いだった。企業側が今を乗り切るためにはやはり、固定費の調整が必要となる。求人にかけていた費用を削減することも一つの選択肢であると考えた。そして、新型コロナウイルスの影響により多くの企業や事業主の方は業態変更やコロナ対策が必要となることから、採用コストの大部分を占める「求人掲載料金」を削減することで必要な部分に投資ができると考えた。それがすなわち沖縄全体の回復に繋がり、ひいては求人会社の将来的な利益にも繋がるのではという結論に至った。
そして最後、大城氏が一番の決め手になったことなのだが、“求職者のため”だ。大城氏は就職活動中の学生と話をする機会を設けた。その時学生が口にしたのは「どの求人媒体・サイトを見ればいいのかわからない」「合同説明会も開催されず、決め手が見つからない」というリアルな不安だった。
学生のリアルな不安を目の当たりにした大城氏は「未来の経済を担うのは若者。そんな若者をコロナなんかで潰したくない」と強く思ったのだそうだ。これが一番の決め手になった。
沖縄求人メディアの課題
実は3つの理由以外にも決め手になったことがある。それは大城氏が前々から感じていた沖縄求人会社への疑問だ。会社設立前は東京の大手人材会社で勤めていた大城氏は、沖縄には何十社も求人会社が存在するにも関わらず、どこも同じビジネスモデルということを以前から問題視していた。
「維持は衰退の始まり」である。長年何十社もがやってきた「掲載料金型」から、そろそろ「サービスに対する報酬(課金制)」に変わらければいけない。「ウェブdeつながる」は、そんな沖縄の求人メディア変換期を担うための第一手としての一面もあった。
「ウェブdeつながる」は、掲載料金型もスカウト課金(登録者にスカウトメッセージを送る際、1メッセージ100円など課金していく仕組み)も取り入れず、掲載料や使用料、メッセージ送信などはすべて無料だ。
だが今後は、使っていく上でプラスアルファでやりたいことに対し、課金してもらう仕組みを取り入れようと考えている。どういうことかというと、今後ライブ配信やチャットボット機能を追加し、基本的なことは全て無料ではあるが、「これがあったらもっと使い勝手が良くなるよね」というシステムに関しては課金していく仕組みにしていく予定だそうだ。
よくあるゲームアプリの「ベースは無料」「欲求を満たしたい場合のみ課金が必要」という仕組みである。
大城氏は今後、オキナビの価値もこれまで通り提供しつつ、ウェブdeつながるに注力していきたいと話した。アフターコロナ世代のニューノーマルとして、沖縄の求人業界全体の成長につなげていければと話した。
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