沖電が値上げ幅を228円圧縮 資源価格の下落受け、経産省会合で報告
- 2023/4/5
- 経済
電気の規制料金の値上げを国に申請している沖縄電力は、最近の資源価格の下落を踏まえ、標準家庭向けのプランの値上げ幅を228円圧縮した。経済産業省が4日に開いた有識者による料金制度専門部会の会合で報告した。参加した沖電を含む大手電力会社7社のうち、6社が値上げ幅を縮小し、最も圧縮幅が大きかったのは東京電力の1,053円だった。
電力会社が独自にプラン内容や単価を設定することができる「自由料金」に対し、「規制料金」は国の認可が必要となる。沖電など大手5社は昨年11月に今年4月からの値上げを申請していたが、3月に経産省が資源価格の下落を受けて各社に再計算を求め、4月の値上げは先送りされていた。
今後、再算定結果を審査
会合での配布資料によると、沖電は当初、昨年7~9月の自社火力分燃料費などを基に値上げ幅を算出していたが、今回は昨年11月~今年1月の数値を使って算定し直した。燃料費は石炭価格が上昇した一方で、液化天然ガス(LNG)の下落幅が大きく、申請時より約27億円減の約944億円だった。
その結果、一般家庭向けの低圧プラン「従量電灯」(月使用電力量260kWh)を契約している場合、当初は月額で現行8,847円から12,320円への値上げを申請していたが、今回の再算定で値上げ後の額が12,092円に下がった。値上げ幅は3,473円から3,245円に228円圧縮され、値上げ率で見ると39.3%から2.6ポイント減の36.7%となった。
その他の低圧、高圧プランを含めた規制料金全体の平均改定率は、申請時の43.8%(高圧:50.0%、低圧:40.9%)から2.9ポイント減の40.9%(高圧:46.7%、低圧:38.2%)となった。
経産省は今後、各社の再算定結果の妥当性を審査し、値上げを認めるかどうかを判断する。