霜降りせいやのそっくりさんで優勝 居酒屋で「似てるね」から始まるまさかのストーリー

 

9月20日、湾岸スタジオ

 9月20日、くにゆーさんの姿はフジテレビ湾岸スタジオにあった。「全然緊張はしなくて。初めての経験でワクワクしかありませんでした。テレビの現場ってこんな感じなんだー、って思っていました」と、むしろその場を楽しんでいた。

 ただ、もしかしたら本当に自分が優勝してしまうのではないかと思わせる出来事が、ちょくちょくあった。「スタッフの方が控室で出場者の名前を呼ぶ時に、他の人は普通に名前で呼ばれるんですけど、僕だけすでに『せいやさん』って呼ばれていたんですよね」。出演順は大トリだった。

 髪型や衣装は、ヘアメイクさんやスタイリストさんがせいやさんに近づけてくれた。「だから、ものまねというよりコスプレをして出たという感覚です」

 身長171cm、体重103kg。ボクシングの階級で言えばヘビー級に相当するムキムキの身体は、週4の筋トレを4年間続けた成果だ。せいやさん本人と顔がそっくりなのに、体格だけ全然違うというギャップもウケた。決勝では年齢が2つ下のせいやさんに「お兄ちゃん!」と呼ばれ、会場は笑いに包まれた。

旅でお世話になった人に「姿を見せられるのが嬉しい」

 前職は浦添市役所の職員。墓地申請管理やゴミ収集関係を担当する環境保全課にいた。2019年度末に“脱公務員”し、現在は動画編集など個人で仕事を請け負いながら、日本全国を旅して回っている。今回の優勝を受けて、市役所時代の同僚も喜んでいる。20日には市長室に松本哲治市長を訪問し優勝を報告する予定だ。

 今回のテレビ出演には、全国各地の旅先でお世話になった人たちに喜んでもらえたらという思いもあった。「みなさんに姿を見せることができるのが、一番嬉しかったです」。その中には、居酒屋のカウンターで最初に「せいやに似てるね」と言ってきっかけをくれた男性の顔も浮かび上がる。

 くにゆーさんはこれからも気まぐれに旅を続けていく。目標は「世界中に友だちをつくること」だ。世界のどこかで霜降り明星のせいやさんによく似た身体の大きい男性を見かけたら、「くにゆーさん!」と呼んでみよう。きっと素敵な笑顔を見せてくれるはずだ。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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