FC琉球、最終節残してJ3降格圏内が確定 千葉に1-2で逆転負け

 

 サッカーJ2のFC琉球が、今季あと1試合を残してJ3降格圏内の21位以下になることが確定した。

 16日、21位の琉球は千葉県のフクダ電子アリーナで10位のジェフユナイテッド千葉と今季第41戦を行い、1-2で逆転負け。通算成績は7勝21敗13分で、勝ち点は34。J2残留圏内の最低順位となる20位のザスパクサツ群馬はこの日、最下位のいわてグルージャ盛岡に勝利し、琉球と群馬の勝ち点差は8に広がった。その結果、勝ち点で逆転することが不可能となった。

 今季最終戦は23日午後2時から、ホームのタピック県総ひやごんスタジアムで大分トリニータと対戦する。

野田が意地の先制点 最後まで「FC琉球!」の声援止まず

 勝利のみを求めて挑んだ千葉戦。先制したのは琉球だった。

 前半17分、敵陣左サイドでボールを受けたMF福村貴幸が左足でアーリークロスを上げると、ペナルティエリア内中央に走り込んだ身長185センチのFW野田隆之介が頭で合わせ、ゴール右に突き刺した。

 ”奇跡”の残留に向け、意地の一発で流れをつかんだ琉球だったが、前半終了間際に千葉のMF熊谷アンドリューにミドルシュートを決められて同点に追いつかれた。押し込まれる時間帯が増えた後半はなんとか我慢を続けていたが、41分にカウンターから勝ち越し点を奪われ、万事休す。そのまま1-2で敗れた。

 試合終了のホイッスルが響いた瞬間、J2参戦4シーズン目にしてJ3降格圏内の順位が決定。うなだれながら退場する選手たちに対し、スタンドの一角をチームカラーであるベンガラ色に染めた琉球サポーターは「FC琉球!FC琉球!」と、とめどなく声援を送っていた。

J2参戦4シーズン目 監督途中交代も危機突破ならず

 2003年に創設された琉球は、14年にJ3に参入。18年にホーム無敗の圧倒的な強さで優勝し、J2に昇格した。J2では14位、16位と続き、昨シーズンは前半戦で優勝争いに絡むなど力を付け、過去最高の9位を記録した。

 しかし、昨季途中から指揮官を務める喜名哲裕監督体制の下、J2参戦4シーズン目となった今季は開幕時から守備の乱れが目立ち、序盤から低迷して最下位が定位置に。6月にスペイン出身のナチョ・フェルナンデス新監督を招聘し、高身長のサダム・スレイらも加入して一時は上位陣からも白星を奪うなど盛り返したが、最後までJ3降格圏内を抜け出すことはできなかった。

 試合後、フェルナンデス監督は「前半は失点するまで相手よりも試合をコントロールできていたけど、防げるはずの失点をしてしまった。シーズンを通して改善できていないことが出てしまった。前半が悪くなかっただけに悔しいです」と険しい表情を浮かべた。J3降格圏内の順位が決まったことについては「着任してからエラーをどう改善するか試みたが、改善しきれない部分もあった。この結果は、私の責任でもあります」と語った。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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