キングス3連勝 新潟に大勝も、桶谷HCは「まだまだ成長段階」

 
最終第4Q、ワンマン速攻から強烈なダンクを叩き込むコー・フリッピン=10月16日、沖縄アリーナ(長嶺真輝撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部西地区の琉球ゴールデンキングスが好調だ。15、16の両日にホームの沖縄アリーナで行われた新潟アルビレックスBB(中地区)との連戦をいずれも30点差以上で大勝し、3連勝で通算成績を5勝1敗とした。強力なインサイド陣を中心に圧倒した形だが、桶谷大HCはチームオフェンスについて「まだまだ成長段階」と言う。その理由とは。

2戦目は出場選手全員が得点 ボールムーブに手応え

スリーを沈め、観客にアピールするジョシュ・ダンカン=16日

 リバウンドの本数で1戦目が44対30、2戦目が38対23と大きく上回ったキングス。ジャック・クーリーやジョシュ・ダンカンらが存在感を発揮し、多くのセカンドチャンスをつくって連勝につなげた。

 1戦目で29得点、14リバウンドと攻守で活躍し、大黒柱としての仕事を見事にこなしたクーリーは「今シーズン、チームがポジションレスを掲げる中で、自分はセンターとして得点することはもちろんですが、他の4人のメンバーを助けるという事が自分の役割だと思っています」と力強く語った。

松本礼太がスリーポイントを沈め、ベンチで大はしゃぎするキングスの選手たち=16日

 また、2戦を通してチーム全体で目立ったのはアシストの多さだ。今季の1試合平均本数が21.7本に対して、この連戦は28本、25本を記録。ボールシェアの成果もあって各選手が満遍なく得点を挙げ、2戦目は出場した10選手全員がスコアした。

 2戦目終了後、昨季からチームにスムーズなボールムーブを求めている桶谷HCは「やろうとしてる事の成果は出てきている。判断は良くなってきた」と語り、手応えを感じていた。

2戦目の第2Q、DFの変化に手を焼く

 一方、冒頭で記したように桶谷HCが「まだまだ成長段階」と言う理由は、第2戦の第2クオーターにある。このクオーターのスコアは13-21。2戦を通して、唯一得点で相手を下回ったクオーターだ。

試合終了後、挨拶する桶谷大HC=16日

 インサイドで劣勢に立った新潟にさまざまな種類のゾーンを使い分けるチェンジングディフェンスを仕掛けられ、キングスのボールムーブが停滞。アシストも全体で3本のみと伸び悩んだ。桶谷HCは「相手がどういう形態のディフェンスをしてるか見極めにくくて、そこからリズムが崩れた。何が正解か分からなくなってしまった」と振り返る。

 後半はスクリーンを増やしたり、スペーシングを改善したりして相手のゾーンディフェンスを攻略したが、指揮官は「よりボールプレッシャーがきつく、運動能力の高い相手だとどうなるか分からない。まだ成長段階」と語る。一方で「少し混乱した時間があったことで、より成長できるかなと思います。後半にはしっかり答えも見つけ出せたので、それもプラスになる」とも話し、シーズン序盤の実践で課題が出てくることを歓迎しているようでもあった。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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