「レオナルドを彷彿」FC琉球のFWケルヴィンが月間ベストゴール

 
スーパーゴールを披露しておしゃぶりポーズを決めるFC琉球のFWケルヴィン(右)=3月4日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(長嶺真輝撮影)

 サッカーJリーグが最も優れたゴールを表彰する「月間ベストゴール(2・3月度)」で、J3からFC琉球のブラジル出身FWケルヴィンのゴールが選ばれた。対象となったのは、3月4日にホームのタピック県総ひやごんスタジアムであったヴァンラーレ八戸との開幕戦で見せたリフティングからの華麗なシュート。ケルヴィンは初の受賞となった。

「勝利に導くことができた」

 正に“スーパーゴール”だった。ケルヴィンはペナルティエリア外側でボールを受けると、一度も地面に落とすことなく4度のボールタッチで相手ディフェンダーをかわし、最後は左足でゴール右隅に突き刺した。

 この試合は、前半44分に挙げたこの虎の子の一点を守り切って勝利。今シーズンJ3に降格した琉球にとって、大事な初戦をものにするために大きな意味を持つゴールとなった。

ベストゴール賞の記念品を手に笑顔を見せるケルヴィン(FC琉球提供)

 受賞を受け、ケルヴィンは「とても嬉しいです。普段の厳しいトレーニングはゴールを決めるため、そして勝利のためにやっています。ゴールを決められた事、そして何より、このゴールがチームを勝利に導くことができました。もっと点を取るために準備はしていますので、これからも頑張ります」とコメントした。

Jリーグ史に残る伝説ゴールを想起

 選考委員からは、1995年に同じブラジル出身のMFレオナルド(当時鹿島アントラーズ所属)が披露した、Jリーグ史に残る伝説のリフィテングゴールを例に挙げる声が目立った。以下は選考理由である。

 「レオナルド選手が決めたような浮き玉をコントロールしゴールのイメージをもったシュート。なかなかJ3では見られない」(反町康治委員)

 「目の前でやられたら腹が立つゴール。レオナルドを彷彿とさせる素晴らしいゴールだった。J3でもすごいゴールが生まれるということを示してくれた、観客を魅了するゴールだった」(坪井慶介委員)

 「次の日、絶対に子どもが真似したくなるゴール」(平畠啓史委員)

(レオナルド)Jクロニクルベスト:1995ベストゴール

 昨シーズン琉球に加入して以降、これまで通算2得点のケルヴィン。持ち味の高いスキルを生かし、さらにゴールを量産していきたい。


長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ