「反対意見を聞こうとしなかった」「『辺野古』県民投票の会」 元山代表 安倍政権と沖縄②

 

辞任会見で沖縄に触れず「思い入れを感じなかった」

 辞意を表明する会見では、沖縄のことに触れることはありませんでした。結局、あまり興味がないのでしょう。やはり改憲、北方領土問題、拉致被害者問題の3つに力を入れてお話していました。この会見以外でも、沖縄については用意された原稿を読んでいればいいというような印象で、思い入れがなかったのだろうと感じました。

 外交面ではダブルスタンダードが見られました。対中国では、辺野古新基地や自衛隊基地配備など軍事力を強化する一方で、習近平氏を国賓として招く計画があったなど、国内に対しては強気で毅然とした姿勢をアピールしつつも、実際に中国には特に何も言いませんでした。香港のことについても中国にはそんなに強く言いませんでしたし、香港の人たちをサポートする動きもみられませんでした。

安倍政権下で政治に関心持てた

 評価できると言われているのは、経済面ですよね。株価や就職率の上昇といった一面はもちろんあるかと思います。ただ、もし他の政権だった場合に、経済が果たしてどうなっていたのかという比較ができないので何とも言えません。国民保険や社会保障への税金の投じ方がどうだったのかなど、詳しい人に尋ねてみたいところです。

 IT企業の沖縄への誘致が進んだのは、賃金格差の問題はありますが、新型コロナ禍となった今、結果として(在宅ワークなどが導入しやすく、感染を抑えることができて)良かったのかなと思います。

 私が国政選挙への投票権を持って以降、ずっと安倍政権が続きました。その期間の中で自分自身が政治や社会に関心を持って行動する、延いては私自身がどう生きるかを考えるきっかけを与えられたという点においては、自分個人にとってプラスな一面はあります。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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