森山、桑江両陣営が打上げ式 沖縄市長選 最後まで投票訴え

 

 4月24日に投開票を迎える任期満了に伴う沖縄県の沖縄市長選。届出順に新人で前市議の森山政和氏(73)=立民、共産、社民、社大、にぬふぁぶし推薦=と、3期目を目指す現職の桑江朝千夫氏(66)=自民、公明推薦=の2氏が立候補しており、地域活性化や貧困問題が大きな争点となっている。

 選挙戦最後の日となる23日は、市内の交差点で両陣営が打ち上げ式を行い、最後の訴えに声を枯らした。

 選挙イヤーの2022年、県内で2番目に多い14万人の人口を抱える沖縄市の選挙結果は、夏の参院選や今年の“総本山”となる県知事選の前哨戦としても注目される。

森山氏、市民所得10%アップ「直ちにできます」

 森山氏陣営は打上げ式を、沖縄市の主要交差点の一つ、コザ十字路で行った。

 交差点の4方向に集まった支援者らは、黄緑のノボリを掲げて道行く車に手を振るなどしてアピール。玉城デニー沖縄県知事をはじめ、「オール沖縄」陣営の国会議員や県議、首長らが揃い、森山氏への投票を呼び掛けた。

 フルマラソンを41回も完走したことがあるという森山氏は、支援者が待ち望む中、タスキをかけながら走って登場、大きな拍手で迎えられた。開口一番「この疲弊しきった沖縄市の経済、私は市民所得の10%アップ、そして給食費完全無償化のために、市長になることを決めました」と目玉政策を訴えかけた。

 経済の立て直しの第一歩として「まずは人づくりです。多様な人材は多様な職種、仕事、職場を生んでいきます」と話し、先に触れた市民所得10%アップについて「直ちにできます」と断言した。

 長い選挙戦を振り返りながら「相手陣営は『国とのパイプがある』と言っていますが、私の後ろには良識ある市民1人1人が私を支えてくれています」と感謝し「私は、みなさんの期待に応えるためにもしっかりと戦い抜いて参ります。皆さんのお力を貸して頂いて、戦い抜こうではありませんか」と声を張り上げると、支援者からは拍手と共に「頑張れー!」との声援が飛んでいた。

 式の冒頭に登壇した玉城知事は、森山氏の子育て支援などの公約について「間違いなく沖縄県と同じ方向にしっかりと向いています」と述べ、県と市が一体となった「子どもの貧困」問題の解決策を強調。前衆議院議員の屋良朝博氏は「今回は勝っていこうじゃありませんか」と、県内首長選での連敗を止める覚悟を支援者と共有した。

桑江氏「この右肩上がりを止めてはいけない」

 桑江氏の打ち上げ式は胡屋十字路で行われた。支援者らがのぼりを掲げ、必勝を祈願した「Vロード」を展開した後、沖縄市議の応援団がマイクをリレーして道行く人たちに「くわえ」の名をアピールし続けた。

 西日を浴びて眩しそうな表情で登壇した桑江氏。「皆さんの思い描く沖縄市を私がしっかりと前に進め作り上げていきます」と話し始めると、「胸がいっぱいです」と述べて集まった支援者に感謝した。

 沖縄アリーナやホテル誘致の実績をもって「これこそ成長した沖縄市の姿ではないですか」と言葉を強くし、2014年から現在までに市民所得が9%伸びていることに触れて「この右肩上がりを止めてはいけない。もっともっと伸ばしていきます」と宣言。

 大きな公約として掲げている貧困問題については「連鎖を断ち切る。企業、地域、行政の3つが1つになって、子どもたちを救います」と言い切り、「これまで通りに必ず仕組みを作ります」と重ねて強調した。

「今回の選挙、色んなことを言われながら私は耐えて耐えてきた。『勝てない』と言われていた1期目の選挙も、皆さんが支えてくれたから今があるんです」と振り返った桑江氏。「これからも皆さんの先頭に立ち、沖縄市を『躍動する沖縄市』にしていきます」と続け、最後の投票を呼びかけた。

 連帯のあいさつに登壇した沖縄担当相の西銘恒三郎氏は「琉球王朝の昔からこの沖縄市は越来グスクとして沖縄の要です。桑江市長は沖縄の要を皆さんの支持のもとで懸命に頑張って担ってきた」と強調。沖縄県自民党県連の島袋大氏は「実績と行動力と判断力で結果を2期8年間出してきた。沖縄市のリーダーとして相応しいのが桑江朝千夫なんです」と訴えた。


 【お知らせ】HUB沖縄では4月24日投開票の沖縄市長選挙の特別番組を配信します。
 ゲストにFMコザ局長の山内一郎さん、スマートフォンアドバイザーでネットリテラシーの啓発活動も行うモバイルプリンスさん、昨年度まで沖縄市の創業支援施設「Startup Lab Lagoon」の広報を務めていた会社員の喜納舞杏さんを招き、沖縄市出身や在住の3人の視点から、沖縄市の課題や将来を紐解きます。

 配信は24日の午後8時半からです。URLはこちら!(https://youtu.be/06EZqWzZIKQ


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