「反対意見を聞こうとしなかった」「『辺野古』県民投票の会」 元山代表 安倍政権と沖縄②
- 2020/9/10
- 政治
また、安倍政権は反対意見を全くと言っていいほど聞こうとしなかったと言えます。
(去年7月に)北海道で、安倍首相が街頭演説をしていた時にヤジを飛ばした市民が連行されました。自分自身が(政権に反対する原動などで)連行されたことはないですし、周囲にも連行された人はいませんが、実際に、(2015年安保法制に反対する)国会前でのデモの際には、参加者を封じ込める鉄柵を設置するなどしているわけです。
もちろん、デモ参加者が路上に出ないようにとの言い分はあるにせよ「いかに反対する人の動きを抑え込もうか」という意図はあったのではないでしょうか。国会前をたくさんの人々が埋め尽くすという画はインパクトがありますから、その画を撮らせたくないという官邸の思惑はあったように思います。
オスプレイ配備の撤回を求めて全市町村の首長と議長が一つになって建白書を出しました。反対意見がこれだけ示された時にちゃんと話し合えるような姿勢を見せるべきでした。例えば少なくともオスプレイの配備日程を遅らせたり、配備先を変えたりなど、これらはやる気があれば可能ですし、いろんな選択肢がありえたはずですが、実際にそういう姿勢を見せませんでした。東京と地方、中央と周辺の格差があらわになったと感じました。他方で、佐賀へのオスプレイの移転先や秋田へのイージス・アショア配備などは撤回する。「本土」と沖縄の違い、言ってしまえば「差別」を感じざるを得ない出来事でした。
これは不誠実な態度だと思います。しかし、それでも政権を維持できてしまっているのは、世論がそれを許しているからだ、という怖さを感じています。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設の是非を問う2019年2月の県民投票で、反対票が7割以上でした。同年3月に共同通信が行った世論調査では68.7%の人が「国は投票結果を尊重すべきだ」としました。でも、これらの投票結果を尊重していない現状があります。安倍政権には納得ができないとは思いますけど、結局それを選んだのは主権者である国民なので、安倍首相が退いたからといってもこの先の変化を期待することがそんなにできないかなと思います。