【沖縄県知事選】投票間近!候補者はどんな経済政策を訴えている?

 
それぞれの政策を訴える候補者たち

県内企業支援や県民所得向上は?

 世界的な物価高騰の波にのまれている中、全国でも所得が低水準の沖縄県内で、どのように利益を生み出し、そして確保して循環させていくかということも、長年言われ続けている「沖縄経済の自立」を実現するためにも大きな課題だ。

 下地氏は大胆な規制緩和を行うことで雇用拡大と税収増につなげ、さらに社会資本整備では民間資金を活用する「PFI方式」を導入することで一括交付金の減額を補うとする。また、“ザル経済”からの脱却を図るために、県内での利益循環を促す県内企業を優先する「沖縄ファースト」も提唱。さらに、新たな企業の創設を目指して県内でのスタートアップ1,000社を達成することでGDP10兆円達成への原動力とすることも主張している。

 玉城氏はものづくり産業の県内調達率向上、県内企業優先発注、そして沖縄独自の食文化を生かした新規展開など踏まえて、地域資源を生かした「稼ぐ力」強化による県民所得の向上を目指す。加えてDX推進と県内中小零細企業の振興、そして農林水産業を含む全ての産業の労働生産性向上を主張する。さらに、大型MICE施設の整備に加え、沖縄をアジア圏域で有数のスタートアップハブにすることや、米軍基地跡地の活用と返還推進による経済効果と雇用増も訴えている。

 「しなやかで強い沖縄経済の実現」を掲げる佐喜眞氏は、社会情勢への変化に対応しながら県民所得の大幅アップをアピール。脱炭素化やエコビジネス、健康医療分野で日本をリードする新産業の創出、中小企業の人手不足解消にも触れた。物価高騰については、電気、ガス、ガソリン、食料品などの生活必需品確保に苦しむ県民への支援を明言しており、さらに沖縄振興開発金融公庫と連携して中小企業の資金繰り支援強化や、農林水産業への手厚い支援にも取り組むとしている。

 知事選は9月11日に投開票を迎える。知事選に限らず、様々な選挙で年々投票率は下がる傾向にある。今回は沖縄県全体の今後4年間を左右する重要な選挙で、1人1人の1票が県民生活にも直接的に影響する。自分の考え方や暮らしのあり方と、各候補者の政策を照らし合わせて選択した1票を投じよう。

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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