【5氏参加の演説会詳報】自民候補に佐喜眞氏 沖縄県知事選

 

赤嶺氏「県民所得を全国40位以内に」

 赤嶺氏は、県知事就任後最初に取り組むこととして「日本政府との連携強化」を挙げ「各省庁との定期的な対話の場で率直な意見交換をし、沖縄の課題を訴えるだけでなく、日本における沖縄の役割を発信していく」とした。また、留学生制度の充実や世界のウチナーンチュネットワーク活用を謳い、県庁で「外交部」を、離島僻地振興に向けて「島しょ振興部」をそれぞれ新設立することも提案した。

 経済対策については「4年間での任期で、県民所得を全国40位以内にする。もし在任中に40位以内に入らなければ、辞任をする覚悟で取り組んでいく決意だ」と具体的な目標を示した。また、沖縄から空路で4時間以内にアジア各都市約20億人の巨大市場がある好立地を生かした経済戦略を立てることも盛り込んだ。

 日米地位協定の改定についても「日米両政府に粘り強く働きかけ、できるところから改定を目指したい」とした。

現職の玉城デニー氏も出馬の公算

 公開演説会には一般来場者約150人が訪れた。HUB沖縄が実施したオンラインライブ配信ではリアルタイムで約1000人が視聴した。

 閉会後、候補者選考委員会委員長の松本哲治浦添市長は報道陣に対し、約30分間に及んだ選考過程について「一番得票数が多かった佐喜眞さんとすることを、全会一致で納得してもらい、拍手で承認を得た」と説明した。

報道陣の質問に答える松本委員長(左)と佐喜眞氏

 沖縄県知事選では、現職の玉城デニー氏(62)が2期目を目指して出馬する公算が大きい。前回知事選に出馬した佐喜眞氏は玉城氏に約8万票差と大きく水をあけられており、コロナ対策や基地問題への対応に県民がどういった期待を寄せ、評価を下すかが注目される。

佐喜眞淳(さきま・あつし)
1964年8月9日生まれ、宜野湾市出身。普天間高校、千葉商科大学卒。2001年から宜野湾市議会議員、2006年から沖縄県議会議員を経て、2012年から2018年まで宜野湾市長を務めた。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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