【5氏参加の演説会詳報】自民候補に佐喜眞氏 沖縄県知事選

 

玉城氏「シリコンバレー以上の魅力が沖縄にある」

 冒頭で「沖縄に異常なほどの愛着を持ち、強烈な沖縄アイデンティティがある」と述べた玉城氏は、医師としての経験や米国シリコンバレーで留学した経験も踏まえながら、防災や医療、経済政策を中心に論を展開した。

 シリコンバレーについて「沖縄県より狭いエリアにアップルやグーグル、テスラなど世界経済の屋台骨となる企業が集まっている」と触れた上で「アジアの中心という地の利を考えると、シリコンバレー以上の魅力が沖縄県にはある」と経済面での大きな可能性を示唆。「10年後には、沖縄県の平均年収をシリコンバレーと同じ1200万円にする」とも明言した。

 医師としてコロナ対策の最前線にいる日々で「医師である私が、沖縄県の皆様の命を守らないで一体誰が守るんだ」と感極まる場面もあり、アフターコロナの明るい未来構築についても強い意志を示した。

佐喜眞氏「私が知事なら基地問題を確実に解決」

 佐喜眞氏は演説の中で、県知事選に落選した4年前から県内各地を回って、地域課題や要望を見聞きしてきたと述べ「その経験が、沖縄県のために政治の舞台でもう一度頑張らなければならないという決意にもなった」と再起を誓った。また、「私には夢があります」と切り出し「それは普天間飛行場の返還です。しかし返還合意から四半世紀が過ぎても、返還はおろか、返還期日を示されずに時間だけ過ぎたことは、宜野湾市長を経験した私自身にとっても痛恨の極み」と反省の意を示し「私が知事であれば、基地問題を確実に解決致します」と真っすぐに述べた。

 新型コロナ対策として、沖縄県には国内観光客の9割以上が飛行機を使って入域することから「政府や航空会社などと連携し、法改正も含めて『水際対策モデル県』として取り組む」と感染拡大防止に励むことと併せて「産業構造の改善を図り、経済の格差を是正し、貧困の根絶を果たすことを最優先に考える必要がある」とコロナ禍からの復興も掲げた。

砂川氏「沖振法依存脱却を」

 砂川氏は、沖縄振興特別措置法からの脱却を大きなテーマの一つに掲げて演説した。「特別措置はありがたいが、我々はあまりにもそれに頼りすぎてはいないだろうか。復帰後の世代が社会の中心となる中、沖縄県民としての気概や誇りを失ってしまうことにはならないか」と問題提起した。10年後に現行の特別措置の期限が切れた時の振興計画や方策の調査研究など「『ポスト沖振法』を見据えた準備に取り組みたい」と決意を述べた。

 また、基地問題での国と県の対立構図に疑問を呈し「一方的に県の考え方だけを発信しても問題は解決しない。現実を直視し、実質的に県民の利益を得る結果重視の姿勢で取り組む必要がある」と現県政を批判した。また、県の部長職などを歴任する中で「判断力、構想力、交渉力、決断力、そして統率力を磨き上げてきたという自信がある」と述べ、県知事としての資質をアピールした。

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