小麦価格高騰で沖縄そばへの影響は?複雑な価格設定事情

 

 沖縄そばの価格が上がるのは、小麦価格の高騰だけではない。油の原料となる大豆も不作が続いているという。さらには輸入にかかる燃料代といった輸送コストや人件費の上昇とも連動しており、沖縄そばの値段の背景には想像以上にさまざまな要因が絡み合っている。

「1円でも値上がりしてしまうのが申し訳ない」と話す沖縄生麺協同組合の伊波興健副理事長(撮影時のみマスクを外しています)

コロナ禍も需要減の引き金に

 多くの沖縄県民にとっては、どこかしらお気に入りの沖縄そば屋さんがあり、その議論はいつも白熱しがちであり、雑誌やウェブサイトの企画でも「好きな沖縄そばランキング!」といったような特集がよく組まれるほど、依然として沖縄の「麺類のシンボル的存在」に位置付けられているであろう沖縄そば。しかし近年は、食文化の多様化から消費そのものは落ちているという。

 伊波副理事長は「ラーメンやうどんといった他の麺類も人気が出てきたということもそうですし、牛丼チェーンなども増えて、外食先がさまざまになりました」と話す。沖縄そばの消費だけが落ち込んでいるのではなく、さまざまな食ジャンルがそのパイを分かち合っているという状況だ。

 加えて、コロナ禍も沖縄そばの需要減少に拍車をかけた。沖縄に来る観光客が減ってしまったことや、県外でも沖縄居酒屋の営業が縮小してしまった。しかしその一方で、主に県外に送るためのギフト商品は全体として売り上げを伸ばしたことが、一筋の光となっている。

世界に広がれ沖縄そばの輪!

 伊波副理事長は「お客さんのニーズに応えていくことこそが求められていると思います」と基本に忠実だ。石垣島では丸麵、やんばる地域では平麺など、地域によって特色ある沖縄そば文化がある他、各種練り込み麺や生麺など、個人の嗜好やお店のこだわりはさまざまだ。

 また、沖縄そばが「沖縄でしか食べられないもの」ではなく、その食文化自体が広がりを見せていることにも期待を寄せている。象徴的とも言えるのが、沖縄県系移民の多いブラジルのカンポ・グランデ市で沖縄そばが文化として根付き、郷土食として認定されたことだ。伊波副理事長は「ハワイにも大きな製麺所がありますし、県人会の力は強いです。今後も世界に発信していけたら」と見据えている。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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