プロバスケのキングスが9連勝 滋賀に94ー78、優勝マジック10

 
ファウルを受けながらシュートを沈める並里成=3日、沖縄市の沖縄アリーナ

 プロバスケットボール男子Bリーグ西地区の琉球ゴールデンキングスは3日、沖縄市の沖縄アリーナで滋賀レイクスターズ(西地区)と今季第43戦を行い、94ー78で9連勝を飾った。通算成績は39勝4敗。2位島根と5.5ゲーム差の西地区1位。優勝マジックは1減らして10となった。渡邉飛勇、田代直希、牧隼利は負傷により欠場した。

キングスが94ー78で勝利

 キングスは滋賀の強度の高い守備に対し、第1クオーター(Q)だけでターンオーバーが5。いまいち波に乗れなかったが、第2Q中盤からジャック・クーリーらの活躍でリバウンドが安定した。ドウェイン・エバンスのドライブやエバンス、今村佳太の連続スリーポイントなどで突き放し、44ー30で前半を折り返した。

 後半は要所でミスも目立ったが、並里成が攻守で存在感を発揮し、主導権を渡さない。最後は岸本隆一がファウルをもらいながらレイアップを沈めるなどし、気迫のこもった滋賀の反撃を振り切った。

 次戦は6日午後7時35分から沖縄アリーナで三遠ネオフェニックスと対戦する。

3点弾とアシストで優位に

スリーポイントを放つ今村佳太

 中外のパス回しやドライブからのキックアウトで相手守備を崩し、コーナーで待ち受けた選手がボールをもらってフリーでスリーポイントを沈める。理想的な攻めの形を何度も演出し、47.8%の高確率で11本のスリーを決めたキングス。相手は27.8%の5本にとどまり、優位に立った。

 滋賀のルイス・ギルヘッドコーチ(HC)が「プレーの激しさは試合に必要なレベルまで引き上げてプレーできたが、3点の部分が足らなかった。そこを少し決めればもう少し競い合えたと思う」と振り返る通り、勝負を分ける大きなポイントとなった。

コートエンドに立つ並里成

 シュートが高確率で決まった背景には、相手守備を引き付けてフリーの状況をつくるアシストの多さがある。個に頼り過ぎず、出ている選手がボールを共有してバランス良く点数を取るバスケを掲げるキングス。アシスト数は相手を17も上回る29を記録した。

 チームトップの7アシストを記録した並里は「みんながボールを触って気持ち良くプレーすることが桶谷HCのやりたいバスケ。今日もよく回っていたと思う」と手応えを語った。

CSへ準備着々 鍵はボール回しの質

惜しくもシュートを外し、叫ぶ岸本隆一

 一方、試合後に桶谷HCがファンの前で「少し(パスを)回し過ぎてしまった」と語った通り、ボール回しの質はまだ成長途上にある。これまで1試合平均12ほどだったターンオーバーは15に上り、簡単なパスミスも目立った。ただ、CSまではまだ1カ月以上の期間がある。指揮官は「ボールをシェアしていいバスケをしていきたい。自分たちの成長を見ていてほしい」とファンに前向きな姿勢を示した。

 チームがボール回しを重視するのには、理由がある。今村が解説する。

 「(敗れた)天皇杯準決勝の千葉戦と今月11日の島根戦で、個に頼ってボールが停滞した。一人の選手に得点が集中し、相手にとって的が絞りやすくなってしまった。それは自分達のやりたいバスケじゃない」

 今季の数少ない黒星から課題をあぶり出し、CSで強豪に勝ち切るためのチームづくりを推し進めている。

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