プロバスケのキングスが9連勝 滋賀に94ー78、優勝マジック10

 

成長著しい牧、近く復帰へ

並里(右)からマイクを受け取り、あいさつする牧隼利

 ホーム戦終了後、恒例のマイクパフォーマンス。この日のMVPに選ばれた並里がマイクで「たくさんの応援ありがとうございます」と礼を言うと、こう続けた。「もうそろそろ帰ってくるであろう牧選手に、意気込みをお願いします」

 突然の”アシスト”を受けた牧は、自身が不在の期間に20連勝というBリーグ1部記録を達成した仲間に対し「頼もしく思う」とした上で「自分の力をチームに還元していきますので、もう少しお待ちください」と、復帰に向けて順調に調整が進んでいることを印象付けた。

 牧はプロ2年目。今季は攻守において冷静な状況判断力を養い、成長著しい選手だ。復帰を心待ちにする並里は試合後の会見で「活躍できる選手がケガでチームを離れてる。今でも彼らがチームを支えているということを伝えたかった。ファンの方も彼の意気込みを聞きたかったと思うので」と振り返った。

首位独走 リーグ連勝記録更新も

リバウンド争いで競り合うアレン・ダーラム

 今季で発足6シーズン目を迎えたBリーグ。東西各11チームずつで競い合う。キングスは昨季まで西地区4連覇を果たしており、今季も首位を独走中だ。

 オフにインサイドに強いアレン・ダーラムや日本国籍を取得している小寺ハミルトンゲイリー、母が沖縄出身で身体能力の高いコー・フリッピンらを補強し、bjリーグ時代にキングスを2度の優勝に導いた桶谷HCを再び招聘。チーム力が底上げされ、リーグで唯一勝率9割以上を保つなど強さが際立つ。

試合終了後、ファンに手を振ってあいさつする桶谷大HC

 5月には各地区上位3チームと、それ以外の16チームのうち勝率の高い上位2チームの計8チームがトーナメント方式で年間王者を争う「チャンピオンシップ(CS)」が控える。キングスは進出が濃厚であり、CSでの勝ち上がりを見据えた戦いを続けている。

 桶谷HCはCSを勝ち抜くために最も重要なポイントに「常に安定した精神状態で、同じことをやり続けられるかどうか」を挙げる。「相手がどのチームであろうが、1点差だろうが、50点差だろうが関係ない。今日も前半にフワフワしている選手がいた」と振り返り、この日も試合前、ハーフタイムで同様な内容を選手に伝え、意識付けを図ったという。

 キングスはコロナ禍の影響でCSが中止になった2019-20シーズンを除き、3シーズン続けてCS準決勝敗退を喫しており、今季に懸ける思いは強い。初の決勝進出、そして悲願のBリーグ制覇へ。勢いそのままに、頂点へ駆け上がりたい。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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