キングスがリーグ一番乗りでCS進出確定 プロバスケ、三遠に92ー69
- 2022/4/7
- エンタメ・スポーツ
プロバスケットボール男子Bリーグの琉球ゴールデンキングスが6日、リーグ22チーム中一番乗りでチャンピオンシップ(CS)進出を決めた。同日に沖縄市の沖縄アリーナで今季第44戦を行い、三遠(西地区)に92ー69で快勝してCS進出の条件となる西地区3位以内が確定。10連勝で40勝4敗となり、西地区の優勝マジックは1減らして9となった。
出だしから各選手がバランス良く得点を挙げるキングスらしい攻撃で主導権を握った。北谷町出身の津山尚大に連続でスリーポイントを決められる場面もあったが、特別指定選手の松本礼太がすかさずスリーを決め返し、攻撃の流れを保持。第2Q(クオーター)に入っても勢いは止まらず、45ー26で前半を折り返した。
第3Qに入ると、流れが一変する。三遠に激しい守備から速攻を連発され、このクオーターだけで30失点。一桁得点差まで詰め寄られる時間もあったが、ジャック・クーリーやアレン・ダーラムの力強いインサイド攻撃で着実に加点し、再び突き放して勝ち切った。
三遠では津山がこの日放ったスリーポイント3本を全て沈め、沖縄市出身の山内盛久はチームトップの7アシストでけん引した。
次節は9、10の両日、京都市体育館で京都ハンナリーズ(西地区)と連戦を行う。
ダブルダブルのエバンス 我慢どころで攻守
この日のヒーローはドウェイン・エバンスだった。チームトップの18得点に加え、リバウンドも11で2項目で二桁を記録する「ダブルダブル」を達成した。
ただ、この数字以上に守備での貢献が光った。相手エースのエリアス・ハリスらにマッチアップし、体を張った守りで要所を引き締めた。
エバンスは「バスケは展開が早く、相手が勢いに乗る時間帯もある。そういう時はより手堅い守備、良いショットを打つことを心掛けている」と言う。平常心でのプレーが、緊迫した場面での安定感を生んでいる。
コート上での活躍もさることながら、日本語も目に見えて上達している。試合後のマイクパフォーマンスでは「今日も頑張りました。今スケジュールはめっちゃ大変(笑)。ありがとうございました」と日本語で話し、会場を沸かせた。今月は水曜の試合が4試合あり、1カ月で13試合を行う。
毎晩1時間ほど日本語の勉強に励んでいるという。「毎日コーチや選手に質問してる。回りの日本人みんなが先生です」とチーム内の円滑なコミュニケーションが語学力の向上にも寄与しているようだ。
西1位でホームコートアドバンテージを
キングスは新型コロナウイルスの影響でCSが中止になった2019-20シーズンを除き、3季連続でCS準決勝敗退を喫している。昨季は準決勝で千葉に1勝2敗で敗れ、初の決勝進出を阻まれた。
シーズン優勝という高みを目指しているからこそ、試合後のロッカーでは「誰も(CS進出について)話さなかった」(コー・フリッピン)という。
この日はフリースローを除き、シュート成功率100%で9得点、チームトップタイの5アシストを記録したフリッピンは「もちろんプレーオフに出場して優勝を目指したいが、今目指していることはチームや個人が毎試合成長することです」と足元を見詰める。
一方、西地区2位の島根もこの日、同4位の三河とのアウェー戦で、延長戦の末に白星を掴んで35勝10敗と好調を維持する。キングスとのゲーム差は5.5。3月に島根のホームであった直接対決の連戦では、1勝1敗で星を分けた。今月23、24の両日には沖縄アリーナで再び連戦を行う。
CSの準々決勝と準決勝は上位チームのホームで行われるため、桶谷大HCは「CSで勝っていくためには、西地区1位になることは一番重要」と、ホームコートアドバンテージをつかみたい考え。まだレギュラーシーズンは10試合以上残っているため、「怪我人を休ませたりしながら、今いる選手で良い状態で戦っていきたい」とコンディション調整も重視する。緩むこと無く、CSに照準を合わせて戦っていく。