「連覇経験者」のアレックス・カークが挙げた“連覇のポイント”は? キングス公開練習

 
練習終了後、メディアの取材に応じる琉球ゴールデンキングスのアレックス・カーク=13日、沖縄アリーナサブアリーナ
練習終了後、メディアの取材に応じる琉球ゴールデンキングスのアレックス・カーク=13日、沖縄アリーナサブアリーナ

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは13日、沖縄アリーナサブアリーナでメディア向けに練習を公開した。2連覇の懸かる2023-24シーズンの開幕に向け、本格的なスタートに位置付けられる群馬クレインサンダーズとのプレシーズンマッチが16、17の両日に控える中、練習に熱が入っている。

 選手たちはフォーメーションの確認や実戦形式の練習などで約2時間に渡って汗を流した。チーム練習後には、それぞれがポジションごとに分かれてスキルを磨くトレーニングに励んだ。新加入で活躍が期待されるヴィック・ローや、キングスでプレーした時代に背負った背番号「5」が永久欠番となり、今季からアシスタントコーチとしてチームに復帰したアンソニー・マクヘンリーACの姿も見られた。

今季からキングスのアシスタントコーチに就いたアンソニー・マクヘンリー(中央)とアレン・ダーラム(左)、ヴィック・ロー
今季からキングスのアシスタントコーチに就いたアンソニー・マクヘンリー(中央)とアレン・ダーラム(左)、ヴィック・ロー

大事なことは“健康状態”と“チームケミストリー”

 この日は、チームの大黒柱であるジャック・クーリーの負傷に伴い、加入したばかりのアレックス・カークも練習に初参加。終了後にメディアの取材に応じ、「初対面の選手もいましたが、初日からいいスタートを切ることができたと思います。今まで着ていたものとは違うユニホームで新鮮な気持ちがあります。勝つために自分が何ができるかを考え、チームとして戦っていきたいです」と初日の所感と今後の展望を語った。

 カークは、クーリーがインジュアリーリストの登録を外れるまでの契約になると見られるが、211cmの高さを生かしたインサイドプレーや3Pも打てるシュートレンジの広さを武器に強豪のアルバルク東京(A東京)を6シーズンけん引した実績のある選手だ。合流初日ではあったが、桶谷HCは早速高い評価を示した。

取材に応じる桶谷大HC
取材に応じる桶谷大HC

 「キングスのバスケに一番合う選手を取れたんじゃないかと思っています。彼が入るだけで、オフェンスのボールムーブメントが速くなるし、ディフェンスもチームメートとコミュニケーションを取ってスイッチをうまくやるという部分もできる。短い期間かもしれないですけど、チームにとって欠かせない存在になると思います」

 カークは2017-18、18-19シーズンにA東京でBリーグ2連覇を果たしており、今季のキングスではただ一人、2連覇の経験を持つ選手でもある。

チームスタッフとコミュニケーションを取るアレックス・カーク
チームスタッフとコミュニケーションを取るアレックス・カーク

 連覇のために必要なことを聞くと、「簡単なことではないと思います」と前置きした上で、「シーズンが長い中で、チームはいろんなことを経験します。その中でも、できるだけメンバーの怪我がなくシーズンを過ごすこと、あとチームのケミストリーを築いていくこと。この二つが、2連覇をする上で非常に大事になってくる」とポイントを語った。

ポジションレス「プラスでヴィック・ロー」

 昨シーズンは各選手が多くのポジションをこなすことで個々の能力を伸ばす「ポジションレスバスケ」を掲げてリーグ初制覇を果たしたキングス。今シーズンも基本的な方針は変わらないが、桶谷HCは攻守に万能なプレーができるローの加入を念頭に、「ローは思っていた以上にいい選手。リーグでトップ5に入る外国籍選手だと思います。彼は1番(ポイントガード)から4番(パワーフォワード)までこなせるので、昨シーズンのポジションレスバスケの延長線上で、プラスアルファでローというイメージです」とさらなる進化を見据える。

田代直希主将(右)とコミュニケーションを取るロー
田代直希主将(右)とコミュニケーションを取るロー

 群馬とのプレシーズンマッチに向けては「今はまだボールピックに対するディフェンスを入れたり、それに対してオフェンスはこうやって攻めるとかを確認したりして、全てのことを練習でできてるわけではない。コンディショニングの面も含め、まだ5対5をやる機会も増やせてないので、プレシーズンマッチで課題を得て、また次の台湾のチームとのプレシーズンマッチに臨みたいです」と展望した。

 キングスは群馬戦の後、23、24の両日は台湾リーグの王者である富邦ブレーブスともプレシーズンマッチを行い、10月5日にSAGAアリーナで佐賀バルーナーズと2023-24シーズンの開幕戦を戦う。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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